ASD(自閉症スペクトラム)と家事についての話です
こんにちは、フリーライターの林谷です。
今日は僕も診断を受けている発達障害の一つ『ASD(自閉症スペクトラム)』についての話になります。
かつて『自閉症』『アスペルガー(症候群)』など呼ばれていた障害も、このASDに入ります。これはどれも明確に区分けすることは難しい、という理由から統合されたものです。
今日は、そんなASDを持つ僕と“家事”についての話です。
現在家では、料理以外の家事をしている
掃除、洗濯、その他雑務がメイン
僕は2年前に結婚し、妻と2人で暮らしています。
妻は働いているので、僕が家事を行うようにしています。しかしながら、マルチタスクを必要とする料理だけは苦手なので、妻にお願いしている…というのが現在の形です。
よって今行っているのは
・洗濯
・掃除
・光熱費などの支払い
・日用品などの補充
・ゴミをまとめる
・その他雑務(郵便物の送付や事務手続きなど)
全てではないですが、これらをメインに行っています。今日はこの家事において、工夫している点が3つありますので紹介していきますね。
ASD(アスペルガー)を持つ僕が家事で工夫していること
①光熱費管理アプリを使用する
1つ目は、『光熱費管理アプリを使用する』ことです。
当然ですが、できる限り出費は少なくしたいものです。しかし、目に見える効果がないと、節約もどうすればよいか分かりにくいものです。
特にASDを持つ僕ははっきりと効果を感じたいために、何かないかと探した結果見つかったのが『光熱費管理アプリ』です。
僕が使っているのは『enervo(エネルボ)』というアプリです。これは毎月の
・電気
・ガス
・灯油(うちは使っていない)
これらの使用量と代金を入力することで、『県内平均との比較』『全国平均との比較』『昨年の使用量との比較』などが見られます。
うちの家は最初の家より光熱費が半分くらいに減っています。それが見えるだけで、『節約できてる。良かった』と安心できるものです。
このアプリ、出費を管理したい人にもおすすめで、かつ無料です。ぜひダウンロードしてみてください。
こちらからサイトにアクセスできます →
enervo
※2021年現在、残念ながらサービス終了してしまいました。
今は電力会社のアプリで、これと同様の作業をしています。
②洗濯は、固型の洗剤でかつ部屋干し用を使う
2つ目は、『洗濯は、固型の洗剤でかつ部屋干し用を使う』ことです。
固形とは簡単にいうと、『液体じゃない』ジェルタイプの洗剤ということです。
これも『ASD的』な考えなんですが、液体だと『分量』を計ります。その分量の基準を気にし過ぎて困ることがありました。きっちり入れないといけない…ということに苦戦してしまうのです。
これが固型だと、1個ポンと入れるだけでOKです。いちいち計る必要はありません。こうした『分量が分かりやすい』という意味で、固形の洗剤を使っています。
また、液体だと乾いてしまって前日のうちに入れておくことはできません。しかし固形だとこれができます。よって前日の夜までに洗う服や洗剤を全部入れておいて、朝はボタンを押すだけ、という時短行動もできるのです(その分、朝寝られる)。
…などなど、これら僕にとって利便性が良いという意味で、固形洗剤を使っています。
また、妻のぶんの服は外に干せないので、必然的に部屋干しをする機会が多いです。そのため、はじめから部屋干し用の洗剤を選び、生乾きの臭いがつかないよう工夫しています。
③仕事とのバランスを決める
3つ目は『仕事とのバランスを決める』ことです。
今はフリーなので比較的自由にできますが、仕事をしていた時は勤務時間外にうまく家事をする時間を設ける工夫が必要になってきます。
僕はテレワークでしたから、自宅にいる時間が長い分、家事を行う時間も多いです(そのためにテレワークを希望したこともあります)。とはいえ、時間すき間なくきっちり入れてしまうと、息切れしてしまいます。
どちらも継続して行えるように、体力的・時間的に配分を決めて家事を行うようにしているのです。
さて、この配分を邪魔するのが、ASDを持つ人が抱きやすい『完璧主義』になります。こう決めたからその通りにやりたい、やるからには徹底したい…などなど、様々な『完璧』と闘うこと、僕にもあるのです。
今日は、『”そこ”と闘うコツ』についても話したいと思います。
参考:発達障害
『完璧主義』になり過ぎない、家事のこだわりと闘うコツ
つい家事にも「完璧主義」が出てしまう
僕は結婚当初、家事の完全スケジュールを立てていました。少しだけ例を紹介すると
・毎日家の掃除をする
・週に3回トイレ掃除をする
・週に1回風呂と台所の排水口に泡洗浄のクリーナーをかける
・トイレの床にも掃除機をかける
・窓のフチは気づいた時にすぐに掃除する
・洗濯は毎日行う
・妻の服は完全に整理してしまう
・毎朝部屋にファブリーズをかける
・月に一回、洗面所の床にコーティングをかける
・ゴミ捨ては絶対行う
・掃除した個所を全て手帳に記録する
…とまあ、ざっと挙げてこんな感じです。
今でも『トイレの床に掃除』と『ゴミ捨て』あたりは変わらず“ほぼほぼ”してます。手帳付けもつい最近までやっていました。
今日やらなくても支障ないことは、やらない勇気も持つ
こんなふうに徹底的に家事をやるぞ!と思っていたのですが、やはり体が持ちませんでした。
ASDを持っている方ですと分かってもらえると思いますが、どうしても『極め癖』が出てしまうというか、『”ほどほど”を許さない』部分が出てしまうんです(ギフテッドの過度激動かも知れませんが)。自分のやることをすべて『芸術』にしようグセ、僕の悪い癖でもあります。
そんな”衝動”を防ぐために、こう言い聞かせています。
『今日やらなくても死なないなら、明日でもいいや』と。
今は頻度を調整したり、妻にお願いできるものはお願いしたりするなどして、自分で抱え込むことを控えるようにもしました。
ただゴミ出しや洗濯はやらないとたまるので、定期的に行うことは変わりません。ゴミ出しは毎回、洗濯はほぼ2日に1回くらいです。
これもまた、『2日に1回だから』と大雨降っているのにやろうとするときがあるので、臨機応変に慣れないといけない「今後の課題」です…
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今後も生活していく上で、家事を行っていくでしょう。ASDを持っていると『完璧にやるか、何もしないか』の二択になりがちです。しかしながら、生きていく中でバランスを取りながら行っていくものも出てきます。
特に共同生活の中ではこうした二極論で行うことが難しくなるでしょう。それは価値観が増えれば増えるほどその難易度が増します。そうした時にどれだけ『(自分の中だけの)完璧』から脱却できるかが、僕も含めてASDを持つ人の課題になるのではないでしょうか。
これは家事はもちろん、他のことに関しても関わってくると思います。ぜひ、家事に悩む方、自身の完璧主義に悩む方、参考としていただけましたら幸いです。
発達障害に関する記事はこちら → 『ジャンル:発達障害』
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