こんにちは。フリーライターの林谷です。
こちらの記事『パラリンアートの採用作品について検証。傾向や企業との向き合い方は』で作品の採用についてやデジタルアートについてなど、色々な方から反響をいただきました。ありがとうございます。
そこで今日は「パラリンアーティストとして活動を始める“前”のこと」もお話ししておきたいと思います。
パラリンアーティストとして活動中
僕は2018年11月から、パラリンアーティストとして活動しております(作品紹介はこちら)。有難いことに、デビュー後現在に至るまでの間で数社の企業様から、掲示絵画やアプリ利用などでの採用もいただいております。ありがとうございます。また、パラリンアート事務局から取材をお受けする機会(取材記事はこちら)も作っていただき、本当に『感謝』でしかありません。
パラリンアーティストになる前に、様々な活動をしてきた
こうしてパラリンアーティストとして活動している僕ですが、これまでにもフリーのアーティストとして様々な活動をしてきました。では簡単に、僕のこれまでの『アート歴』を紹介させてください。
パラリンアーティストになるまで~デビューまでのアート活動22年を振り返る
①16歳~22歳 クレヨン画
意外にも僕が最初に始めた画法は『クレヨン』でした。幼稚園で描いているから、『意外』ではないかな…。ただ、世に出すことを考えて描き始めたのが16歳の時で、画法がクレヨンだったのです。
『自分で稼いだお金で、4年後の2002年に個展を開く』ことを目標に、ずっと作品を描き続けてきました。その目標通り、2002年の時に地元のギャラリーで初個展『にせみゅうじあむ』を開きました。ギャラリーの方の計らいで、新聞にも取り上げていただいたこともあり、沢山の方が観に来てくださいました。
開催した個展
『にせみゅうじあむ』(22歳。神奈川県横浜市)
②23歳~27歳 デジタルアート(パワーポイント)
厳密には25歳くらいから、パソコンで絵を描くようになりました。描くというよりは『絵を“作る”』という表現の方が正確かもしれません。このころはカフェに飾りたくなるような、スタイリッシュなものを好んで制作していました。
作品は『パワーポイント』で作っていました。もっと細かく言うと、サン・マイクロシステムズ社の「OpenOffice.org Impress」になります。機能はほとんど同じでしたが、画像に関しての機能の自由度が、比較的高く感じたために使っていました(※そもそもこのツールの用途は、画像編集というよりプレゼンテーション資料作成ツールです)。
画像同士で重ねたり、並べたり、時には色後に分解してバラバラにしたり…今ではアプリで簡単にできるようなことを、ものすごい時間をかけて作っていたことを覚えています。
開催した個展※このころ名義は本名ではなく『バニラパフェ』というネームで活動
『Vanilla Cafe』(26歳。東京都渋谷区代官山町)
『The Window』(27歳。東京都新宿区)
③28歳~29歳 ペン画、鉛筆画、油彩
職場(警察)の教育の一環で、油絵を学ぶ機会がありました。普段は職場でほとんど約に立たない僕でしたが、いつも油絵を描く正月時期だけ、僕の株価が上がっていました(そしてすぐ戻る)。
このころはアナログ絵画をメインに作っていました。29歳の時にカフェで、油彩画だけの個展も開かせていただきました。
開催した個展
『New Sense』(29歳。神奈川県横浜市)
④30歳~36歳 デジタルアート(パワーポイント)
30歳。この時にはパソコンで絵を描くスタイルに戻っていました。一番の理由はやはりうつ病を30歳の時に発症していたために、道具を準備して部屋が汚れないように配慮して…ということが無理だったからでしょう。その中でも工夫して新しい世界観を追求していきました。
30歳の時に職場近くのカフェバーで個展を開きました。この時お店に来ていた男性から『この個展で良いところはオーナーの配置だけ』という批判を受けました。アナログ以外はアートじゃない、そんなことを言いたかったようです。
しかしながらその一方で、作家をされている女性が、展示作品を購入してくださるということもありました。今お元気でしょうか。個々のオーナーさんにも良くしていただき、良い思い出です。またお会いしたいものです。さらには文句を言ってきた男性にも『これが俺のアートだ』と作品を見せてみたいですね。
購入してくださった作品「緑が浸透していく」 |
この翌年にも、デジタルアート作品で個展を開いています。過去のデジタル作品と比べてパワーポイントの使い方を変えたりして、全く別のものを作っていました。
開催した個展
『Rainbow』(30歳。神奈川県横浜市)
『THE HEART & TECHNIC』(31歳。神奈川県横浜市)
⑤37歳 デジタルアート(ibispaintx)
この時に、僕のデジタルアートに「革命」が起きます。今の妻から『パワポなんて大変なやり方で描いてんの?もっと楽なのあるよ』と教えてくれたのがスマホアプリ『ibispaint(アイビスペイント)』でした。使ってみたら、まあいろんなことができて「感動」でしたね。例えていうと、原始人が電子レンジの使い方を覚えたくらい。
これを機にクラウドソーシングで、ロゴや名刺デザインなどのコンペに出すようになりました。サムネ画像のシール風のイラストも、このアプリで描いています。また、このスタイルでユニクロのTシャツデザイン『UTMe!』にもトライしました(現在は行っていません)。
開催した個展
なし
⑥38歳~ デジタルアート(ibispaintx + photoshop)
38歳になり、就労移行支援事業所を利用してPhotoshopのトレーニングをしました。その後自身でもPhotoshopを購入して今の作風に辿り着いています。いろんな使い方をしましたが、今はスマホのibispaintで原画を作成後、Photoshopで質感や色彩の調整、画像の解像度を上げるなどの操作をして完成させる、という流れです。
おわりに
【辛いことも言われた。でも公開し続けてきたことは大きかった】
どうでしたか。
色々な画風を経験して、今のスタイルが僕にはしっくりくるようです。
作品を公開しても嫌なことを言われたり、思うような結果が得られなかったり…ほとんどはそんなことばかりでした。しかしながら個展を開いたことをきっかけにプロの画家さんとお話しさせていただく機会があったり、様々な分野で活躍する方と知り合う機会も作れたりと、自分にとって財産となることも多くありました。
その財産が今のアートにつながっていると、そう思っています。
コメント