「繊細さん」を直すよう言われて、生きづらい気持ちがあった
HSPの存在を知らない子供時代から、生きづらい気持ちを抱えていた
こんにちは。林谷です。今日は僕が気質として強く出ている『HSPを知るまで』についてお話しします。
実際に僕が『HSP』の存在を知ったのは2016~2017年くらい。障害者雇用で事務職をしていた時、ふとインターネットで調べてみたことから知りました。
ただ、生きづらさ自体は、子供の頃からずっと抱えていました。
例えば、僕がすごく傷ついているのに『それくらいなんともないでしょ。我慢しなさい』と理解してもらえない。例えば、僕がすごく悩んでいても『それはあなたの気にし過ぎ』と言われる始末。
そのため僕は、『気にしてしまう自分が悪い』『気にし過ぎないようにしなきゃ』と意識するようになっていました。
もともとの「気質が違う」とは、これっぽっちも考えていなかったのです。
高校時代、良く知る知人から『感じ方が10倍』と言われた
僕は学生時代、特にこの生きづらさを感じていました。中学までいじめられ続けていましたし、それ以外にも人との関わりで何かと傷ついてきた感覚で苦しんできたのです。
僕は高3のとき、後に個展開催でお世話になる画廊によく通っていました。高校の同級生といるより、ここで同じ絵が好きな大人たちと話をしているほうが落ち着けたのです(同性代より年上の大人の方のほうが、良く話せました。その点でギフテッドの可能性も考えられます)。
ここで僕をよく知る画廊のオーナーさんから、『林谷君は“感じ方が10倍”』と言われたことがあります。
この時から『自分は人より、感受性が強いんだ』と自覚するようになるのです。
気にしすぎる『繊細さん』な自分を何とか改善しようとした
どうして気にし過ぎてしまうのか、原因を考えても分からなかった
大人になってからも、職場のやり取りで他の人がまったく気にしないようなことを気にしてしまうことで苦しみました。『あの人の話し方がそっけないように感じた。もしかしたら嫌っているかもしれない』のように警戒しながら生き続けているのはとても辛いことでした。息切れそうな状態でずっと続いていた感じです。
どうして僕だけ、こんなに気にし過ぎてしまうのだろう。誰かに相談しても『気にし過ぎ』『考え過ぎ』と言われるだけ。結局自分の根本を否定されているようで、さらに改善しなきゃと原因を探しました。でも、分かりませんでした。
会話の方法を学んでも、コミュニケーションの問題が改善されなかった
僕はまず、生きづらいのは『自分の話し方が上手くないからだ』と考えました。
そこで絵の個展などを開いたときに積極的に色々な方と話したり、人が集まるイベントに参加して会話する機会を設けたりしたのです。それで話し方自体は、上達したと思います。
でも、生きづらさは改善されませんでした。
コミュニケーションはいわば、相手との『送受信』です。話し方を学んで「送信」はクリアできたけれども、僕の受け取り方『受信』のほうが変わりませんでした。
人と向き合うたび、表情や何とも言えない雰囲気から『嫌われているのではないか』と警戒しては疲れ果てる。この生きづらい気持ちは、どうしても改善されませんでした。
メールでも、送信がちゃんとできたとしても、受信した文章が文字化けして大量の文字に溢れているようなら成立しない。僕の感覚は、そんな感じだったのです。
うつ病を経験。『繊細さん』の改善方法を考えることに追われた
この状態のままストレスが蓄積され、30歳の時にうつ病を発病します(うつ病の状況についてはこちらの記事をご覧ください)。さらには発達障害の一つ、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けます。
こうなると、これまでは何とか無理をしていれば仕事はできたわけですが、それも難しいかもと感じるように変わっていきました。
このまま対人関係のたびに疲れ果てていたら、キリがないのではないか。
そうして改善する方法はないか、『繊細さん』を直す方法はないのか意識するようになっていったのです。
この頃は『皆は気にしていない。だから、僕が気にしなければいい』そんな感じで、自分の中の『繊細さん』を“悪”としてしか考えていませんでした。
障害者雇用(事務職)時代、『HSP』の存在を知った
障害者雇用の事務職として再就職をしても、生きづらさは変わらなかった
うつ病により再就職し、障害者雇用の事務職として仕事を続けていました。しかしここでも、『自分のアンテナの感度の高さ』によって苦しむことが多くあったのです。
さらには周囲の負の感情をいつの間にか吸収していて、めまいや不眠などのうつ症状も再発してしまいました(吸収の状況はこちらの記事を参考としてください)。
自分が生きづらい理由について調べていく中で、『HSP』を知った
この時は一度発病した時の経験から、自分の感情の整理をして乗り切っています。
ASDについては支援機関の方とも話し合い、対処法を学んできました。それでも自分が生きづらいのは、ASDの特性だけではないのではと考えるようになったのです。そのため、自分の特性について、改めて調べてみようと思いました。ポイントは
・気にし過ぎない方は、僕よりどれくらい気にしていないのか
・僕の『気にし過ぎ』の度合いは、どれくらいなのか
この2つを知るために脳科学の本を読んだり、メンタルヘルス系のサイトを調べたりしたのです。
当然ですが『多数派の人がどれくらい気にしていないのか』について解説している資料はありませんでした。しかしもう一つのポイント『気にし過ぎの度合い』を調べていく中で『HSP』を知りました。
ここでやっと『HSP』に出会います。こちらの診断テストを受けてみて、9割以上該当していたため『僕、HSPかも』と自覚するようになったのです。
高校時代画廊のオーナーさんから言われていた『感じ方が10倍』の正体が、15年以上経ってやっと分かりました。発達障害を知ったときよりも特徴や生きづらさがぴったりだったため、納得できる部分も多かったです。
自分がHSP=繊細さんであることを理解できると、安心できた
自分の努力不足ではなく、気質だったと知って安心した
何より自分が『HSP』という「気質」だったと知ることで、それまで“悪”としてしか見ていなかった「繊細さん」を受け入れられるようになりました。そうしてコントロールする方法や知識なども身につけ、今に至ります。
まだ辛い部分もありますが、自分を活かす道が見つけやすくなったことで、生きづらさは緩和されました。
このブログでは、自身の体験をもとにHSPについての記事を多く公開しています。こちら『ジャンル:HSP』から関連記事の一覧にアクセスできますので、興味がありましたらぜひチェックしてみてください。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
僕自身の感覚で言うと、(ギフテッドの特徴を除いて考えると)ASD30パーセント、HSP70パーセントくらいの割合で特性として、僕の中に存在しているのかなと考えています。ちなみにASDは、「こだわりの強さ」と「応用が苦手なところ」あたりが該当している特性だと思っています(僕の特性について詳しくは、こちらの記事を参考としてください)。今回お話ししたことが、少しでもあなたの生きづらさを緩和するヒントへとなりますように。
自身の「繊細さん」を“悪”だと思う方が、一人でも多く減りますように。
コメント