こんにちは。フリーライターの林谷です。
今日のテーマは『発達障害』。その会話にありがちな「勘違い」「すれ違い」に対する予防法についてお話ししていきたいと思います。
僕も持っているASD(自閉症スペクトラム)の影響もあってか、仕事上の会話の中で勘違いやすれ違いが多くありました。また、自身の言ったことで勘違いさせてしまうことも多くあり、そんなことが多い自分はダメな人間なんだ…と責め続けていた時期があったのです。
自分では正確に言ったと思っていても全く理解してもらえなかったり、相手の話したことを『こうだろう』と決め込んで聞いていたら実は違っていたり…。こういったことが重なり、職場の対人関係をうまく築くことができず、最初の職場で僕はうつ病を発症しました。
このような『会話でのすれ違い、勘違い』ありませんか?『どうして僕の話は通じないのだろう?』『どうして上司の指示をうまく聞けないのかな?』といった漠然とした状態で苦しんでいる場合も、このようなすれ違いが起きているかもしれません。。
過去にブログで『発達障害に必要な相互理解』について紹介した
こちらの記事で紹介した僕の過去ブログ『Self Innovation』の記事『発達障害トレーニング~分かる、を合わせる作業』で発達障害を持つ方は、会話において『自分の“分かった”を相手にも伝える必要がある』とお話ししました。自分の中で答えが出て終了、だけではなくその旨を相手に伝えることも大事。という内容です。
今回は、このブログ記事をさらに具体的にする形で、僕が実践してきた『この3つ気を付けて!』というポイントを紹介したいと思います。
早速見ていきましょう。
【発達障害のコミュニケーション】勘違い会話を予防する3つのポイント
ポイント1:相手の話を聞いた後、内容について『~という解釈で合ってますか?』と質問してみる
1つ目のポイントは「相手の話を聞いた後、内容について『~という解釈で合ってますか?』と質問してみる」ことです。
よく会話の際に『本当に話聞いているの?』と疑われてしまうことはありませんか?そのような『聞く姿勢』を理解してもらう意味でもこの方法は有効です。
やり方は『こんなことを言っているのかな…?』と思った内容に、『~と言う解釈で合ってますか?』を付け加えてみてください。相手の話の『タイトル』はこんなことかな?と感じたものに加えてみるというと分かりやすいでしょうか。
それで意図が違った場合は『いやいや、○○と言う意味だよ』と返してくるわけですし、合っている場合は『うん、それでOK』と答えてくれるでしょう。この確認するというのが、本当に大事なことなんです。例を挙げてみましょう。
ポイント1の例
A課長
『林谷君、今日はこの業務をお願いしたい』
緑頭推進課の林谷君
『わかりました。“今日は通常業務を行わず、この業務を行う”という解釈で合っていますか?』
A課長
『うん、その通りだよ、宜しくね(ああ良かった…分かってるみたいだ)』
この会話法でのメリットは『相手に“自分が分かっている”と明確に伝えられること』です。これが上の例で言うと『わかりました』のみですと、相手にはどう分かったのかは曖昧なままです。このような状態から具体的にどう理解しているかを伝えることで、上の例のように相手に安心感を与えることにもつながります。
ポイント2:相手に伝える時『今のは○○ということです』と話のタイトルをはっきりと伝える
2つ目のポイントは「相手に伝える時『今のは○○ということです』と話のタイトルをはっきりと伝える」ことです。
これは自分の意志を伝える時のすれ違いを防ぐための方法です。分かりやすく言うと、今話している話題の「タイトル」を伝える形です。これも分かりやすく例を挙げて解説していきましょう。今回は『分かりやすい伝え方』と『誤解されるかもしれない伝え方』の例を紹介します。
(誤解されるかもしれない伝え方)
A課長
『林谷君、そういえば好きな映画は何だったっけかな?』
緑頭推進課の林谷君:『僕が好きな映画は、主人公の男性がタイムマシンに乗って過去・未来を巡る映画になります。』
A課長
『あっ、それ“タイムマシン”だね?』
緑頭推進課の林谷君
『いえ、違います…』
A課長
『えっ、タイムマシンに乗る映画っていったら、“タイムマシン”でしょう?』
(分かりやすい伝え方)
A課長
『林谷君、そういえば好きな映画は何だったっけかな?』
緑頭推進課の林谷君
『僕が好きな映画は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、という映画です。主人公の男性がタイムマシンに乗って過去・未来を巡る映画になります。』
A課長
『あっ、そっちの方ね、僕はつい“タイムマシン”かと思ったけど、そっちもいいよね』
どうですか?これを仕事で伝えないといけない話に置き換えるとしましょう。仕事の納期を確認したいときなど、どんなに詳しく内容を話してもタイトル『納期の確認です』を入れないことで食い違っていってしまうおそれがあるのです。
この例の場合、お互いにとって『タイムマシンが関係するもの』でパッと思い浮かぶ映画が違っていたわけです。仕事面でも、このように『根本的に意識していることの違いからすれ違いが起きること』は多くあります。ですから必ず話すときは『何の話をしているか』を言葉にして伝えるようにしましょう。
ポイント3:長い指示や話を聞くときは、途中でポイント1の確認をする
3つ目のポイントは『長い指示や話を聞くときは、途中でポイント1の確認をする』ことです。したがって『~と言う解釈で合っていますか?』という確認になります。
発達障害で相手の話を理解することが苦手な場合、原則は図面やメールなど、視覚情報で受けるようお願いすることが最も安全なやり取りの方法です。しかし、そういった時間や方法が取れない時もあるでしょう。
また、中には文字や図面など視覚情報で伝えることが苦手で、話しながらしか伝えられない、という人もいます(僕の職場にもいました)。ですから常に自分が受けやすい方法でやり取りができるとは限りません。
…となると長い話を聞いたり、簡単に指示をするつもりがあれこれ説明を加えたのちに長くなってしまった…というケースも出てきます。
理想は話し手が『ここまで大丈夫ですか?』と相手の理解度を確認しながら進めることがベストなのです。しかし、自分が話すことで精いっぱいで相手の状態にまで気が向かない人、発達障害を持たない人でもたくさんいます。
このような事態にあっても冷静に対応できるよう、話を聞きながら『ちょっとキャパいっぱいになりそうだ』と思うタイミングなどで構いません。任意のタイミングで『ここまでの話は○○、という解釈で合ってますか?』と確認を入れてみましょう。
おわりに
いかがでしたか。
『今回はこの記事のテーマである、勘違い会話を予防するための具体的な対策について話してきました』
仕事のコミュニケーションで相手に伝えるときは、こんなふうに話のタイトルやメインテーマを入れてぜひ試してみてください。
今日の3つのポイントをまとめておきましょう。
ポイント1:相手の話を聞いた後、内容について『~という解釈で合ってますか?』と質問してみる
ポイント2:相手に伝える時『今のは○○ということです』と話のタイトルをはっきりと伝える
ポイント3:長い指示や話を聞くときは、途中でポイント1の確認をする
この3つに共通していること。それは『話のタイトル』です。要は主題。
何について話しているか自分の中でうまく分からない場合、または自分の中で、はっきりと答えが『これだ』と分かっていても確認する。この習慣を身につけることで、僕もやり取りのずれや勘違いが少なくなりました。ちなみにこの3つ、文面のやり取りでも効果を感じています。
どれか一つからでもOKです。ぜひトライしてみてくださいね。
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