発達障害の影響で、話が通じないことが辛い
会話がうまくできない
発達障害は、生まれつき周囲との感覚の違いに悩みやすいケースがあります。
伝え方、受け取り方これらが相手と異なることで、コミュニケーションがうまくいかない、話が全く通じない…ということを招いてしまうこともあるのです。
もちろんこれは決して、発達障害の当事者側に原因があるとも限りません。しかしすれ違いが多い、どの環境に行ってもうまくいかない。
伝え方、受け取り方これらが相手と異なることで、コミュニケーションがうまくいかない、話が全く通じない…ということを招いてしまうこともあるのです。
もちろんこれは決して、発達障害の当事者側に原因があるとも限りません。しかしすれ違いが多い、どの環境に行ってもうまくいかない。
一生懸命伝えても、相手に『で?』『それで、何が言いたいの?』など言われませんか?
この場合、相手に自分の意思が上手く伝わっていないかもしれません。もしそうでしたら自分のコミュニケーションについて、うまくいかない原因や対処を見直すチャンスが来ているサインとも言えるのです。
参考:発達障害|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
参考:コミュニケーションの困りごと全般:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト
話が通じないとき、話し方が『推理小説』になってるかも
話し方の構成に問題がある可能性がある
さて、うまく話が伝わらない原因。その一つに、『話し方の構成や流れが分かりにくい』というケースがあります。
これを分かりやすく例えて、『推理小説』と僕は表現するようにしています。
推理小説って、犯人が最後まで分からない、または最後に探偵側が犯人に到達するスタイルですよね(古畑任三郎形式など)。
これを分かりやすく例えて、『推理小説』と僕は表現するようにしています。
推理小説って、犯人が最後まで分からない、または最後に探偵側が犯人に到達するスタイルですよね(古畑任三郎形式など)。
これは小説なので、最後までハラハラすることは楽しいです。でもこれが会話だったら、最後までハラハラしたくはありません。すぐにでも安心したいと思います。これが仕事の会話であれば、なおさらですよね。
こうして「犯人=何が言いたいのか」が最後まで分からないような話し方だと、相手に話が伝わらないことがあるのです。
まず、そのような点を踏まえて相手に伝わりにくい話し方、このポイントについて挙げていきます。
【発達障害】相手に伝わりづらい話し方の特徴
①結論を最後に言う
1つ目は、
『結論を最後に言う』
ことです。
今伝えた「推理小説」のように、最後まで聞かないと結論が分からないような話し方。これは相手にとってストレスを与えてしまうおそれがあります。
なぜならほとんどのケースでは、じっくりと話をかみ砕いたり内容について考察する。そのような時間はないことが多いからです。
なぜならほとんどのケースでは、じっくりと話をかみ砕いたり内容について考察する。そのような時間はないことが多いからです。
そのため結論を最後に言うスタイルだと、『相手を無駄に考えさせない』という配慮が不足していると思われてしまうかもしれません。
②会話の流れが前後する
2つ目は
『会話の流れが前後する』
ことです。
推理小説で言えば『さっき第2の殺人が起きたのに、その人が生き返ってる…』みたいな展開です。えっ!?どうやって生き返ったの?ってなりますよね。
…と思ったらまた第2の殺人の話になって…のように、会話の中で「流れが前後する」ことが起きていると、相手にとってストレスになってしまいます。もちろん、話の内容も見えにくくなるのです。
…と思ったらまた第2の殺人の話になって…のように、会話の中で「流れが前後する」ことが起きていると、相手にとってストレスになってしまいます。もちろん、話の内容も見えにくくなるのです。
③『えーと…』『あの…』など間延びしてしまう
3つ目は、
『「えーと…」「あの…」など間延びしてしまう』
ことです。
この傾向は、どんな風に伝えるのか決まる前に、話し始めてしまう方に多く見られます。
話の内容とは関係が薄いですが『え~と』や『あのう…』など、話の内容と直接関係のないワードを多く使っていませんか?このワードが多いと、内容が見えにくくなることがあります。相手からすれば知りたいことを引き延ばされているわけですから、ストレスにもなりかねません。
④話の着地点を決める前に話し始めてしまう
4つ目は、
『話の着地点を決める前に話し始めてしまう』
ことです。
話す前に話の『着地点』を決めずに勢いで話してしまっている。これが原因の一つです。この場合、話し手自身も何が言いたいのか見えていないこともあります。または③のケースのように、話しながら構成を組み立てようとすることもあるでしょう。
『とりあえず話して、相手にテーマを引き出してもらおう』そう無意識のうちに対話していることで相手に負担を与え、不快な気持ちにさせているリスクもあるのです。
話す対象の『主語』は『自分』なのに、なぜか他の人が関係していることのように感じさせてしまうケースもあります。これは特にミスをしてしまった時など、都合の悪いことを話すとき、無意識に起きる『逃げたい』という気持ちから生じるケースが多いです。
推理小説で言えば自分で犯人を捕まえたのに、『犯人が捕まったみたいです』と報告するような言い方です。これだと、他の人が捕まえたように聞こえますよね。
普段の会話で、このような主語が曖昧な話し方をしていませんか。
『とりあえず話して、相手にテーマを引き出してもらおう』そう無意識のうちに対話していることで相手に負担を与え、不快な気持ちにさせているリスクもあるのです。
⑤自分のことなのに、他人事のような表現を使う
5つ目は
『自分のことなのに、他人事のような表現を使う』
ことです。
推理小説で言えば自分で犯人を捕まえたのに、『犯人が捕まったみたいです』と報告するような言い方です。これだと、他の人が捕まえたように聞こえますよね。
普段の会話で、このような主語が曖昧な話し方をしていませんか。
【伝わりづらい話し方】推理小説モードの話し方例
さて、ここまで推理小説に例えてコミュニケーションを説明してきました。今度はもう少し具体的な例の中で説明しましょう。
小学生時代を思いだしてみてください。
せっかく昨日やった宿題が、朝教室でカバンを見た時に『あっ!ない!』というときの、あの件です。この場合の伝わりづらい『推理小説モード』の話し方を見ていきましょう。
(伝わりづらい「推理小説モード」の話し方)
あの…昨日の算数の宿題なんですけど、
分数から始めてなんとか終わって、
夜のうちにカバンに入れたはずなんです。
今教室に来てカバンを見たら、ノートがないんです。
どこかに落としたのか、家にあるのか、よくわからないですけど…どうしたらいいですか?
分数から始めてなんとか終わって、
夜のうちにカバンに入れたはずなんです。
今教室に来てカバンを見たら、ノートがないんです。
どこかに落としたのか、家にあるのか、よくわからないですけど…どうしたらいいですか?
ちなみに相手にとって必要となりやすい部分は、色がついている部分のみです。この場合、余分な情報が多すぎて、相手に自分の意図とは違う解釈をされるかもしれません。
本当は家に忘れたのに、先生は『どこかにノートを落としたのでは』と誤解して、探しに行ってしまうかもしれません。
このようなケースを防ぐために、相手に何を求めているかもしくは自分がどうしたいのか、これらをはっきりさせていくことが大切なポイントです。そうしないと、相手は聞くだけ聞いて何も動けないというストレスにもなります。
気の短い人だと、上の例で言えば『なんとか終わって…』くらいで
で、何が言いたいの!?
はっきりしなさい!
なんて怒らせてしまうかもしれません。
参考:相手を怒らせてしまう:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト
参考:コミュニケーション検定 | 一般社団法人日本医療福祉教育コミュニケーション協会
相手への伝え方は、『“逆”推理小説モード』を意識しよう
このような点から自分の伝えたいことが伝わらない、しっかりと聞いてもらえない、という事態を招いてしまいます。ではどうやって伝えれば良いのでしょうか。
今回の算数の宿題を忘れた件 で見ていきましょう。先ほどの例と比較しながら見てみてください。
(伝わりやすい『逆推理小説モード』の話し方)
昨日の算数の宿題ですが、
申し訳ありません。ノートを家に忘れてしまいました。
昨日のうちに宿題は済ませて、すぐに出せる状態です。
今すぐに取りに行くか、明日に出すという形でも大丈夫ですか?
申し訳ありません。ノートを家に忘れてしまいました。
昨日のうちに宿題は済ませて、すぐに出せる状態です。
今すぐに取りに行くか、明日に出すという形でも大丈夫ですか?
どうでしたか。現実には、こんなかしこまった小学生はいませんけど(笑)。仕事の言葉遣いを想定して、少し『ませた』子供にしてみました。
ポイントを解説していきます。
①結論や主題を最初に言う
メールで言えば『件名』です。ここでは、宿題のノートを忘れたことになります。
唐突なように感じるかも知れません。でも、相手に伝える時にはわざわざ時系列、ストーリーに沿う必要はないのです。忘れた経緯ではなくて、忘れたという事実が優先になります。
『犯人は林谷』推理小説で言えば、このような感じです。タイトルで全部わかるくらいをイメージしてください。書店で並んでいて、背表紙だけでも内容が分かるくらいです。
会話ではそのように、結論や主題を先に言えるようトライしてみてください。
実際にそんなタイトルが推理小説にあったら逆に怪しすぎますが。
唐突なように感じるかも知れません。でも、相手に伝える時にはわざわざ時系列、ストーリーに沿う必要はないのです。忘れた経緯ではなくて、忘れたという事実が優先になります。
『犯人は林谷』推理小説で言えば、このような感じです。タイトルで全部わかるくらいをイメージしてください。書店で並んでいて、背表紙だけでも内容が分かるくらいです。
会話ではそのように、結論や主題を先に言えるようトライしてみてください。
②お詫び、感謝など気持ちを伝える
今どんな気持ちなのか。それを伝えることも大切です。
これがないと、忘れた → 対処しますのような機械的な話し方にも受け取られます。ここでは、申し訳ありませんになりますね(小学生なら、すみません、ごめんなさいあたりですが)。
これがないと、忘れた → 対処しますのような機械的な話し方にも受け取られます。ここでは、申し訳ありませんになりますね(小学生なら、すみません、ごめんなさいあたりですが)。
③現在、対象がどうなっているか
今現在、話題の対象となるものがどうなっているか。これを伝えます。ここでは、宿題自体は済ませていて、今ノートは家にあるになります。
ここがあることで、今後どうすればいいか、対策の土台が相手にも見えやすくなります。ただし目的は自己弁護ではなく、相手に分かりやすく伝えること。それを目的にしないと意思が伝わらなくなるので、注意しましょう。
ここがあることで、今後どうすればいいか、対策の土台が相手にも見えやすくなります。ただし目的は自己弁護ではなく、相手に分かりやすく伝えること。それを目的にしないと意思が伝わらなくなるので、注意しましょう。
④今後について、自分なりの対策
③で、相手にもこのあとどうすればいいか対策の土台は伝えました。ただこれだけでは、『お前は何もしないのか』『丸投げか』そう思われてしまいます。
ジッチャンの名にかけたのに、やっぱ推理やーめたみたいな感じです。ですから対策として、自分はどうしたいのか。これを入れるだけでも、真剣さが伝わりやすくなります。
ジッチャンの名にかけたのに、やっぱ推理やーめたみたいな感じです。ですから対策として、自分はどうしたいのか。これを入れるだけでも、真剣さが伝わりやすくなります。
おわりに
色々言いましたが、コミュニケーションって、難しいです。何といってもコミュニケーションには、『これ』という明確な正解がありません。とても辛いことですよね。
僕もこうしてアドバイスする記事を書いていますが、僕も常にこれができているかというと、そうでないこともあります。
ですから僕も、今日お伝えしたことを自身でも意識している最中です。自分なりに『うまくいかないポイント』をつかんで試行錯誤を続けているのです。その経験をもとに、この記事も書いています。そうして少しずつ、誤解やすれ違いも少なくなってきました。
もし相手への伝え方で悩んでいたら、この記事をもとに話し方の流れを見直してみよう。
僕もこうしてアドバイスする記事を書いていますが、僕も常にこれができているかというと、そうでないこともあります。
ですから僕も、今日お伝えしたことを自身でも意識している最中です。自分なりに『うまくいかないポイント』をつかんで試行錯誤を続けているのです。その経験をもとに、この記事も書いています。そうして少しずつ、誤解やすれ違いも少なくなってきました。
もし相手への伝え方で悩んでいたら、この記事をもとに話し方の流れを見直してみよう。
そう思ってもらえたら、僕は嬉しいです。
【セットで読むと良いかも】
【セットで読むと良いかも】
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