こんにちは、林谷です。今日は僕も持つ『発達障害』、これの苦手な部分をカバーするトレーニング法についてお話しします。
発達障害は、言語理解力が低いケースがある
言語理解力とは
まずこの『言語理解』について簡単に説明しておきますと、
”言葉を理解したり,表現すること,言葉を使って考えること”
このような意味の言葉です。見えたものや聴覚情報として聞こえたものを『言葉』に変える力、それが言語理解力となります。
これを測るには、知能検査を受けることによって分かることができるものです。
発達障害は、言語理解力が低い傾向がある
発達障害の傾向として、処理速度や知覚統合(視覚情報を処理する力)など、能力に偏りが観られることが多いです。そのため他の能力が高く、『言語理解力が低い』ということもあります。例えば、
○図や画像で見ると分かるけど、言葉で言われたり見せられたりすると分からない
○自分の中の何て言ったらいいか分からない、曖昧な気持ちを言葉にするのが苦手
○相手からよく『言葉が足りない』と言われる
こんなこと、ありませんか?
今回お伝えするのは聞いた言葉はもちろん、メールなど文面の意味を理解することも苦手という方、さらには自分の意志を言葉に変えることが苦手という方におすすめしたいトレーニング法です。
仕事を続けていく上で、言語理解力を高める取組みをした
自身も言語理解力が低く、言葉にして伝えることに苦労した
僕自身、発達障害のひとつASD(自閉症スペクトラム)を持っています。過去にうつ病にかかり、コミュニケーションに対する自信を失っていたことも重なって、気持ちをどう言葉にすればよいか苦しんでいました。
たまたま受けたライティングの仕事で、トレーニング法に気付いた
僕は収入を増やしたくて、クラウドソーシングのライティング業務の仕事を受けていたことがあります。
依頼記事の内容が『サッカー選手のプレー動画を観て解説する』というものでした。
僕の好きな本田圭佑選手(イタリアにファンレター出したことあります)だったこともあり、何度も動画を観て動き一つ一つを言語化させていったのです。ブログに動画を添付することはないので、全部言葉にして表さないといけません。
本田選手が今ピッチのどの辺りにいて、同じくピッチのどの辺りにいる背番号何番の何々選手にどんなパスを送ったか。
シュートを打ったらどんな軌道をして、ゴールのどのあたりに入ったか。キーパーはどう動いていたか。
こんな動きを細かく文章化させた記事を作っていました。
ほんと『見れば分かる』動画の偉大さを知りました。でもこの記事作成によって、『見れば分かる』視覚情報を言語化する力が身に付いたのです。
以降、人に説明するスキルも高まりました。今回はこのトレーニング法について、分かりやすく解説していきます。
【発達障害】言語理解力をつけるために行ったトレーニング
では、今からでも実践しやすいよう、簡単な動きを言語化して書き出していきます。ワードなどを使って入力していく形でもOKです。ぜひ一緒にトライしてみてください。
【言語理解力トレーニング】今回の想定
林谷がパソコンをつけた。
今回のお題はこちら。画像で言うと下のような感じで、実際にはこのような画像や動画だけを見て言葉にするイメージで進めます。
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パソコンのイメージ |
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○に囲まれたところが電源スイッチです |
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画像提供:パラリンアート事務局 |
この動きを言語化していきましょう。
①林谷が何者か
いきなり『林谷が』と言われても、相手が事前情報として林谷を知っていない限りは、どんな人なのか伝わりません。
ということで、林谷という人物像が相手にも見えてくるくらいの言葉を肉付けしてみましょう。
細身のアラフォー男性、林谷が
と追加します。
これで林谷の体型や大まかな年齢、あとこれで男性であることも伝わるのです。
ポイントは、「全く相手には見えていない状況だとしたら、どう言えば分かってもらえるか」で考えると分かりやすくなります。
②パソコン
次は『パソコン』です。パソコンつけた、では、もし相手は見えていなかったらデスクトップかな?ノートかな?と迷ってしまいますよね。上の画像がなかったら、あなたもどんなパソコンなのかがわからないのではないでしょうか。
対話ではこういった『選択肢』が増えるぶん、相手が誤解するリスクが高まります。特にチャットなどの文字のやり取りがメインになりやすいテレワークなどでは、この手の誤解を極力なくす表現が大切になります。そのためにはよりピンポイントで特徴を説明する必要が出てくるのです。
ですからここでは、このように肉付けしてみましょう。
黒色の、用紙サイズA4くらいの大きさしたノート型パソコン
とします。これであなたにも、言葉だけでもどんなパソコンかが見えてきたのではないでしょうか。
大きさに関してはインチとか長さの単位でも良いと思いますが、ここでは分かりやすい紙のサイズにしました。
③(パソコンの電源を)つけた
最後に、『(パソコンの電源を)つけた』部分の説明です。
この例で言えば『電源を』を省いたために、パソコンの何をつけたのか分からないと誤解を招くおそれもあります。
机に『付けた』のか、
部品を『取り付けた』のか、
はたまた電源を『点けた』のか、
相手は決めかねてしまいます。今回の例では電源を点ける行為とイメージする人が多いと思います。しかし相手の解釈に依存してしまうことで、知らぬ間に誤解を与えているということにもなりかねません。
そうならないためにも、この部分を言語化していきましょう。
パソコンの側面右の電源ボタンを長押しして、スイッチをつけた
です。さらに加えるなら、
パソコンの側面左部分の差し込み口に電源コードを差し込んで
を前に加えるのも良いでしょう。このように『見えていない部分』を言葉にして見えるように変えていくことをポイントとしてトライしてみましょう。今回のテーマをまとめるとこんな感じです。
細身のアラフォー男性林谷が、
黒色の、用紙サイズA4くらいの大きさしたノート型パソコンの側面左部分の差し込み口に電源コードを差し込み、 パソコンの側面右の電源ボタンを長押しして、スイッチをつけた
黒色の、用紙サイズA4くらいの大きさしたノート型パソコンの側面左部分の差し込み口に電源コードを差し込み、 パソコンの側面右の電源ボタンを長押しして、スイッチをつけた
赤文字が加えた言葉です。
本来は目に見えるものなので言葉にすると回りくどいですが、こうして言葉に変えると、画像がなくてもパソコンの電源がつくまでの動き方が相手にも見えてきますよね。
もちろん状況として言葉が増えすぎて、説明し過ぎになってしまうこともあるかもしれません。しかしこうして普段から言葉を多めに伝える意識付けをしておくと、会話の中で誤解を与えるリスクが低くなるのではないでしょうか。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は分かりやすくパソコンをつける行動でお伝えしましたが、実際には好きな動画などを見ながら書き出してみると良いでしょう。
大食い動画でもいいし、ダンス動画でもOKです。YouTubeなどであれば何度でも繰り返し見られますから、やり直しも可能です。
楽しみながら言語理解力を高めるトレーニング。無料で簡単にできます(厳密には、光熱費や通信費がかかっていますが)から、ぜひ試してみてくださいね。
【セットで読むと良いかも】
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