障害者支援サイトで働いていた時、伝えきれなかったことがある
こんにちは。フリーライターの林谷です。
1年間、障害を持つ方の支援サイトでライターとして勤務していました(取材記事あります→こちら。有料。冒頭部分のみ無料で見られます)。権利上、サイトで書いた記事自体をここでご案内できないこと、本当に申し訳ありません…。
さて、今日はどうしてこのような話をしたかと言いますと、『支援サイトで言いきれなかったこと』をお伝えするからです。
僕が記事を書くうえでメインに掲げていたテーマは
『“働きたい”人ではなく、“働きたいと思えない”人に向けた記事』
これが一番大きく掲げていたテーマでした。
僕自身もうつ病を発症したことがあり、働くことをイメージするだけで怖くなる時期がありました。社会復帰したのは発症から4年後でした。そういった経験も兼ねてお伝えしたい気持ちがあったのです。
しかしこのテーマは内容として、どうしても精神的な部分に触れることが多くなります。そのため就職支援サイトの記事としては実用的でないとして、記事化を控えめにしていました。…ということで、この場で改めて『働きたいと思えない…でも働ければその方がいい』という方にお伝えしたいことを3つ選びました。
ぜひこのうちのどれか一つでも実践したいなと思ってもらえたら幸いです。
【発達障害】“働きたいと思えない”時に取組んだ就活の対処法3つ
①他人の力を借りる
1つ目は
『他人の力を借りる』
です。
これは僕の経験上ですが、障害特性やうつ病の症状から、自身だけでポジティブな情報を得ることはできませんでした。
自分だけでどんなに『働こう』と頑張っても、最終的にイメージされるのが『うまくいかなかったとき』『怒られたとき』『失敗したとき』の経験を基にした悪いものだけだったんです。だから「働きたい」というステージになかなか上がれませんでした。
そんなとき就職までのサポートをしていただいたのが臨床心理士のカウンセラーさんや地域の就労支援センターのスタッフの方でした。
今ではこのほかにもサポートをしてくれる環境が増えました。相談できる環境を可能な限り挙げてみると、
◆就労移行支援事業所
◆就労継続支援事業所
◆障害者職業能力開発校
◆民間のカウンセリングルーム
◆障害を持つ方の就労支援事業
◆障害を持つ人向けの転職エージェント
◆友人、知人
◆家族
このほかにも様々なチャンスがあるでしょう。もし今の状況を何とかしたいという気持ちが少しでもあれば、勇気を出して他人の力を借りる一歩を踏んでみてください。
②どんな仕事があるかを書き出して検証してみる
2つ目は
『どんな仕事があるかを書き出して検証してみる』
です。
これは厳密に言うとうつ病発症時ではなく、さらに次の転職活動の際、就労移行支援事業所に通っていた時のことです。(僕の経歴にあってはこちらをご覧ください)
仕事を検索しても自分のできることが見つからず、『こんなにできる仕事がないなら、自分は仕事に向いていない人間なのかな』と悩んでいました。
しかしこの時は、自分が想像している『社会にはこんな仕事がある』という種類や範囲が狭かったのです。当時パッと浮かぶ(できそうな)仕事って
◆事務
◆清掃や物品管理
この2つくらいしかなかったんです。
事業所に通っていたころはイラストレーターやアートに関する仕事をしたかったのですが、就職支援事業の方と相談したところ『未経験者は難しい』と言われていたので、想定からは除外していました。
そんな中事業所のスタッフの方にアドバイスをいただきながら、自分の想像していない仕事について探してみようと感じたのです。事業所に設置されていた求人票やその他求人サイトを見て回ったんです。そうした結果
◆オフィスにある植物の管理
◆Photoshopなどでのバナー制作
◆Webライティング
◆Webデザイン
◆データ入力業務
◆ゲームに使用する背景の制作・加工
少し探しただけでも今までに自分が想定していなかった仕事が見えてきたのです。この中で『Webライティング』を選び就職、およそ1年間勤務させていただきました(その企業を辞めた理由はこちら)。
中には『これ仕事なの?』というものもありました。ただ仕事とは、そもそも『嫌なことを我慢してやることに対価があること』ではないと思っています。本来は力を最大限に発揮できるなら楽しんで行うものも仕事と言えるのではないでしょうか。
ただ、楽しんで行う仕事の過程の中で課題や辛いことはあると思います。しかし、仕事そのものが『忍耐』ではないのです。これを理解することで、僕も仕事の探し方が変わってきました。
このサイトの職業一覧が分かりやすいです。興味のある方はぜひアクセスしてどんな仕事があるのか見てみてください。
③クラウドソーシングにトライし、テレワークのノウハウをつかむ
3つ目は
『クラウドソーシングにトライし、テレワークのノウハウをつかむ』
です。
これも実際に経験したことです。民間企業の事務職として働きながら、クラウドソーシングを活用して様々な仕事をしていました。
クラウドソーシングとは、
インターネット上で企業が不特定多数の群衆に業務を発注(アウトソーシング)する比較的新しい業務形態
になります。簡単に言いますと、ネット上で仕事を受けて作業を行う働き方です。
基本的には通勤はもちろん、面接などもありません。ただし契約の際に簡単なテストなどを行うケースもありますが、それも依頼内容に書かれていることが多いので事前に確認できることが多いです。
また、クラウドソーシングは基本的に仕事単位、単発で受けるものが多いです。そのため人との関わりはその仕事を行う間のみです。継続的に人と関わるケースも少なく、煩わしいコミュニケーションもありません。
やり取りはメールやチャット、もしくはサイト内のメッセージで行うことが多いです。そのため複雑なコミュニケーションを意識する必要もほとんどありません。原則依頼内容の仕事についてのやり取りだけです。
僕が経験した仕事は
◆ロゴデザイン
◆名刺デザイン
◆記事作成
◆キャッチコピー作成
◆アナログで描かれた情報をデータ入力する
◆アンケート入力
◆商品やサービスのレビュー作成
◆記事タイトル・見出しの作成
これらを行いました。余談ですが、こちらのカウンセリングルームのロゴデザイン(龍)をお受けしました。
※契約上著作権を譲渡しているため「参照」という形を取っています |
場所は福岡県になります。もしお近くにお住まいの方で、相談したいことがあるという方は一度アクセスしてみてください。
クラウドソーシングは基本無料で登録することができます。主に下記の3つのサイトが大手と言われているクラウドソーシングサイトです。実際にどんな仕事があるのか見ていきながら、自分に合うサイトを見つけてみてください。
(主なクラウドソーシングサイト)
さらにクラウドソーシングでもってWeb上のやり取りを習得すると、テレワークのノウハウも覚えやすいです。僕もライターの時はテレワークでしたが、クラウドソーシングの時にチャットのやり取りを身につけていたおかげで、作業がしやすかったイメージがあります。
ですからクラウドソーシングを始めることで
◆クラウドソーシングで経験を積み、依頼を沢山受けて稼ぐ
◆ノウハウやスキルを身につけてテレワークの仕事に応募する
この2つのチャンスが生まれてきます。
おわりに
過去勤めた職場では『人』が嫌で辞めた、という方も多いのではないでしょうか。上司や先輩、もしくは後輩との関わり方で苦しんできたかもしれません。もしくはどうしてもできないことを強要されて苦しくなった…というケースもあるでしょう。
もしそうでしたら…活躍できるチャンスはあります。それは発達障害を持つ方は環境を変えることで大きく事態が変わる可能性があるからです。
今回は3つポイントを紹介しましたが、起業することやフリーランスになることも含めればまだ他にも可能性はあります。
自分にはできることが何もない…もしかしたら、いま考えている基準ではないところで、あなたの輝ける環境があるかもしれません。
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