発達障害の僕が障害者雇用のライターからフリーになったわけ

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どうも、障害を持つ方の支援サイトでライターをしてました林谷隆志(はやしたに たかし)です。今回は主にその支援サイトの記事を読んでいてくれた方向けにお話ししていきますね。僕と『初めまして』という方はこちらの記事から読んでいただけると分かりやすいかもです。

発達障害の僕、フリーライターになりました。

障害者支援サイトでライターしてました、林谷です

僕はおよそ一年間、企業のサイトでライターとして勤めました。
そこで障害に関わる記事を書き続けてきました(権利の関係でサイトにはご案内できず、ごめんなさい)。こちらのページにも紹介されていますが、ライターとして毎日新聞様の取材をお受けしたこともあります。

そのような活動をしてきましたが、訳あって企業を退職しました。後、このブログでフリーとして記事を書いていこうかなと思いブログを立ち上げました。僕が企業サイトで書いていたのは自身が持つ障害のみでなく、他の障害や働くことなどについても書いてきました。

ここではその中から、僕が当事者である

「発達障害」
「HSP」
「ライティング」


この3つについて書いていきますね。

自身も発達障害の当事者である

さて、僕自身も発達障害であるASD(自閉症スペクトラム)を持っていること、加えて繊細すぎる気質を持つHSPを持っていることで、仕事はもちろん日常生活でも色んな苦労をしてきました。

そのようなこともあり、同じ障害を持つ方に自分の体験や伝えることを書いていきたい。
という思いでライターを続けてきました。ASDやHSPについてどんなものかおさらいしてみたい方は下記の参考リンクもチェックしてみてくださいね。

参考:発達障害|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
参考: ASD(自閉症スペクトラム症、アスペルガー症候群)について | e-ヘルスネット(厚生労働省)
参考: HSPとは | HSP診断テスト

ライター勤務を辞めることになった理由

セールスライティングの壁に悩んだ

【良いと信じたものを書きたい。でも、求められていない】


ライティングの仕事は過去に半年間クラウドソーシングで経験しているものの、本格的にライターとして雇用を受けたのは初めてでした。

色々戸惑いながらも次第に流れを掴みつつ、一年間でおよそ700以上の記事を書いてきました。(権利上ご案内できないのが残念ですが、ここでまた新たに書いていきますね)

Webライターの仕事は企業に勤めライティングする以上売れるものを書かなくてはなりません。ここでの『売れる』とは、検索エンジンで上位にランクインするもの、事業のサービスにどれだけつなげられるか、などです。

どんなに良い内容の記事を書いても、Googleなどの検索エンジンで見つかりにくいものでは
企業にとって利益にはなりません。利益にならないのであればWebライティングの仕事としては、成立しないのです。

ですからWebライターの仕事として、この検索エンジンのニーズに応えた記事を書く必要が出てきます。

それはもちろん、僕も理解していたことです。ただ、企業が僕に求めていることが少しずつ変化していったのです。

最初の方は少しだけ内容や本質に触れることもありました。
しかし、少し経つと単純に検索エンジンで
見つかりやすいための方程式に沿ってただ書いていくのみ、
こんな作業を求められるようになっていったのです。

それって、僕じゃなくてもいいよね。そんな不満が募っていきました。

確かにSEO(検索エンジン最適化)はWebライティングをするうえで大切です。
しかし、内容のない『記号のような記事』を書くことを求められている。そんなふうに感じるようになっていきました。

僕がここの企業を辞めようと思った原因の一つが、この『本質や内容がない記事を書きたくない』ということです。ここでいう本質とは、読者にどんなメッセージを伝えたいか、になります。

本質や内容がない、というと大げさかもしれませんが、ただひたすら検索件数を稼ぐためだけにやれ「権威性」だとか、「網羅性」だとか、難しい言葉ばかりを提示されたのです。
その意味については「マニュアルを見て」で。

最終的には記事の本質でなく、ただアクセスが稼げないから
という理由で文句を言われていたようにも感じます。

上司の言葉から「どんな内容のメッセージを伝えたい」という読者に関するものはなくなっていました。こうして、本質がお粗末になっていくことが不快たったのです。

先ほどお話ししたように、企業に勤めている以上はある程度求められていることもクリアしなければと取り組んできました。自分なりに権威性や網羅性など、何も噛み砕かれていない『鋼状態』の情報を自分なりに考えたこともありました。

それでも、沢山の方に見てもらえる記事を書くレベルまでたどり着けないまま、職場を去ることを決めたのです。

参考:SEOとは?SEOの基礎知識について|SEOラボ

【障害者雇用】ライターを勤めた企業について感じたこと

上司は『言葉が表面的な、中身のない人間』なことに気づいてしまった

【障害者ビジネスには興味があるが、障害を持つ方には興味がない】

さて、僕は1年間、障害を持つ方の支援サイトでライターとして記事を書いてきたわけです。いまお伝えした『内容を伴った記事を書けない』ことも辞めた理由としてありますが、もっとも大きな離職原因は、やはり「上司」です。

上司(企業の代表者)は見た目おどおどしていて、事業の説明などの際にも内容がまとまっていないために聞き手に主旨が伝わらない…など頼りない人だなというのは入社前からなんとなく、気づいていたことでした。

採用面接でオフィスに伺った時も、郵便受けに大量の郵便物が詰まっていました。これを見て僕は『管理が苦手で、だらしない方なんだろうな』ということも感じていたのです。

そんな不安要素があるなかでも就職を決めたのは、やはり『障害を持つ方を支援することをしたい』という事業に魅力を感じたからでした。自ら事業を進めている方なのだから、きっと人間性も優れた方であるだろう。そう願いつつ、お仕事を進めていきました。

しかし、長くやり取りを続けていくにつれて、上司の『本来の姿』が垣間見えるようになったのです。

本来の姿というと簡単に言えば、
「障害者ビジネスには興味があるが、障害者自体には興味がない」
ということです。少なくとも、僕にはそう受け取れました。

これは障害に関わるビジネスで『どう儲けようか』ということだけで、その「顧客」である障害を持つ方一人一人の本当の『悩み』や『要望』は意識していないと感じたのです。それは僕とのやり取りでも感じていました。

『障害を持つからこその苦しみ』『辛いという感情』を伝えても、そこには敢えて触れずに機械的な返答をしてきたり、普段から『障害でどんなところが辛いの?』など興味を持って聞いてくる、そのようなことがなかったためです。

実際に関心があれば分かるであろう、少なくとも本人に確認するであろう配慮ももちろんありませんでした。

僕は上司にとって、『自分の理想を達成するための“装置“』でしかない
そう感じられた時にひどく絶望したものです。さらには上司の『障害者を助けたい』という気持ちはお金を稼ぐための文句でしかないと感じる言動が目立ってきたために、『もうここで仕事はできない』と判断したのです。

【言葉が表面的。言動に深みがない】

はじめに言っておくと、これは僕のエゴかもしれません。

しかし自分の上司は、ましてや企業の代表者は、人間的に尊敬できる人物であってほしい。そう期待してしまうものです。反対に世間にも口にできないような人間的にレベルの低い人であってほしくないと思う意識が常にあります。

それを見極めるための方法として、僕は相手の『言葉』を見ているのです。

自分が発した言葉に対してどれだけの

・覚悟

・背景(経験や対象への思いの強さ)

・相手への配慮

・話した後の想定
(相手がどう思うか、話したことでどんな影響があるかをイメージする)

このようなことがあるかを見るのです。

これがある人は人間的にも中身のある、発言に沿った素晴らしい人間性に感じます。反対にこれがない人は、「口だけ」「中身がない」「薄っぺらい」と見えてしまいます。

上司は、まさに「後者」でした。ものすごい難しい用語を良く並べて説明するのですが、何に対して言いたいのか、話の主題は何なのかまとまる前から話す。そんな人でした。

そして発言するものはすべて何かの資料に沿ったものか、誰かからの受け売りでしかなかったのです。「俺はこうだ」「俺はこうしたい」という本人の意志は皆無でした。これってAIチャットのサービス?というくらいに。

これを僕の方で相手の意図や求められていることを噛み砕く作業が、日に日に増えていったのです。僕は何度も「意志」を聞こうとしましたが、返答はまた、新しい資料が来るだけでした。俺はこうしていきたいという意思は最後まで聞くことができませんでした。

これが大企業の係長くらいでしたら、企業で何をしているかなんて見えづらいそんなケースも考えられるでしょう。これらの場合でしたら分からないというのも理解できます。しかし、上司は「社長」であり、「代表者」です。それなのにまるで『言われてるから社長やってます』くらいに仕事に対する『自分の意思』が見えなかった。

言葉に中身がない。尊敬できる人間ではない。
そう自分の中で答えが出たことで、辞める意思が固まったのでした。

もちろん、僕は上司の経験はありません。そのために見えてこない部分もあったでしょう。
ですからただ上司が悪い…ということは思っていません。僕の方で落ち込んだ、という話のみ触れています。

ただ僕のできることとして、
少なくともこのブログでは上のような要件を意識して、常に言葉の背景を考えながら言葉を発してきたいと考えています。常に言葉の重さを意識してきたからこそ、この『軽さ』には落ち込んだものです。

会社を辞めて思ったこと

社会から必要とされていない感がすごかった

もちろん、会社を辞めたことは前向きな判断によるものです。とはいえ、企業が求めている仕事を行えなかった。これはやはりショックでした。

自分は社会から必要とされていないのではないか

そう思って長いこと眠れない日々も続きました。僕は何ができるんだろう…またここからやり直しです。

障害を持つ当事者の読者に申し訳がなかった

僕は会社を辞めることには、何の未練もありません。しかしながら、未練はないにしろ、
申し訳ないということが一つあります。それは、

『企業サイトで書いていた記事を読んでくれていた当事者の方』

に対してです。

事実、同じ当事者の方で僕の記事を熱心に読んでくれている方もいました。
お世話になった就労移行支援事業所に挨拶に行った時、利用者の方が想像以上に読んでくれていていました。とても嬉しかったです。

また、企業サイトへの問い合わせフォームから記事の感想をいただくこともありました。

そのような方に突然自分の都合で、記事を読む機会をなくしてしまって申し訳ないという気持ちがあります。

また、そのサイトの記事でも『こうすれば仕事を続けられる』と自身の体験談を書いてきました。でもそれも、続けられなかったのが「事実」です。そうして結果的に事実に矛盾した内容のメッセージを伝える形になってしまったこともまた、申し訳ないという気持ちで一杯でした。

当事者へ思いを伝え続けたい意思がブログ開設に至った

こうして仕事を辞めながらも、障害を持つ当事者の方へはまだ継続して伝えていきたい。そのような思いを形にできないか。そう考えた結果、こうして自身でブログを立ち上げることを決めました。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

思いをずらずら書いてしまった感もありますが、今後の意識づけとして今ある思いは全てここで話したつもりです。これからは個人で書くわけですから制約なく、自由に書いていきたいと思います。

さらにWebライティングの経験を活かして、SEOも意識したものを書ければなお良し。そんなスタンスで書いていくので、興味があったらぜひまた見に来てくださいね。


【フリーでの活動についての記事はこちら】



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