こんにちは。林谷です。
今日お話しするのは、「HSP」についてです(僕はHSPに併せて、発達障害「ASD(自閉症スペクトラム)」の診断を受けています。詳しくはこちらの記事をご覧ください)。
新型コロナウィルスによって、自粛期間があった
緊急事態宣言によって、長い間外部との関わりが減少した
新型コロナウィルスが2020年の初頭あたりから問題となりはじめ、同年4月には国全体で緊急事態宣言が発令されました。これにより旅行など行えないことはもちろん、近くのデパートやスーパーですら開いていないという、これまでにない生活を経験することとなりました。
僕はもともとテレワークでしたから、比較的生活スタイルに変化はなかったものの、それでも『何か違う』という感覚を強く持っていました。
どこも開いていないので、しばらく近くのコンビニと家の往復が続いたものです。遊びに出かけるところが全く言っていいほどないため、駅付近の書店がテーマパークの様に混雑していたのを今でも覚えています。
自粛期間中の生活の影響で、自身のHSP気質に様々な変化があった
そのような閉鎖的な生活を経て、6月に緊急事態宣言が解除されました。この記事を書いている現在もコロナと向き合う生活は続いています。そんな中でも普段に近い生活に少しずつではありますが、戻ってきているように感じています。
しかし、一度『誰とも会わない』『どこにも行かない』『何にも関わらない』こんな「(HSPの僕からしたら)無菌室」状態の生活が続いていたのち、現在はまた関わりや刺激がある生活になっているわけです。これにより、今の生活に問題が生じる「HSP気質」が“3つ”出てきたのです。
今回はこの「自粛期間によって強まり、問題となったHSP気質」についてお話しした後、これらに対して自身で行っている対策についてもお伝えしていきます。
参考:「HSP」は新型コロナウイルスの影響を受けやすい!?コロナ感染に対する不安が倍増しやすい状態に|新宿ストレスクリニック
【3つ】コロナ自粛後に強まった(問題化した)HSP気質
①人混み耐性がひどく弱くなった
1つ目は、『人混み耐性が弱くなった』ことです。
これは通勤スタイルの仕事から、テレワークの仕事になった時にも感じていたことですが、今回の自粛でさらに弱くなった感覚がありました。
とにかく自粛解除後、出先で人混みに遭うとすぐに疲れてしまう自分がいるのです。渋谷のスクランブル交差点のような人混みはもちろんですが、何か物を買うときに少し並んでいたりするだけでも、疲れることがあります。
今はこの後お伝えする対策で少し緩和されていますが、自粛解除直後は電車に乗って病院に行くだけでもひどく疲れていました。帰宅後には「ぐったり」という感じです。
②パーソナルスペースが広まり過ぎて、警戒心が強まった
2つ目は『パーソナルスペースが広まり過ぎて、警戒心が強まった』ことです。
パーソナルスペースとは、心理的に『これ以上近づかれたら不快になる、ストレスを感じる距離』のことですが、ここでは意味については割愛します。詳しくはWikipediaなどを参考としてください。
これは1つ目の人混み耐性にも深く関わってきます。僕はもともと、他人から刺激を受けることを嫌うからか、パーソナルスペースがとても広いです。ですからスペースが制限されやすいエレベーターには、あまり乗りたくありません。時間がかかってもエスカレーターに乗るタイプです(満員電車ははじめから覚悟して乗っているので、意外とスペース的はOKだったりする。人混みで疲れるけど)。
パーソナルスペースを侵害されると、『家に土足で上がられた』ような不快感があります。これを感じる距離が普段は(半径)1メートル弱くらいなのが、2メートルくらいにまで広がっていました。
自粛生活によって刺激を受けない状態が続いたために、他者から刺激を受けることが耐えられなかったのです。そのため、『俺に近づくな!』オーラをガンガンに出しては、妻に『なんか怖いよ』と言われていました。
ソーシャルディスタンスの影響で、今は距離を取る方が増えています。しかしそれと関係なく、他者に近づかれると不快になるのです。その気持ちがひどく出ては、帰宅後にまた『ぐったり』生活でした。
参考:心理学用語「パーソナルスペース」とは?意味と具体例を解説 | スッキリ
参考:【HSP(敏感体質)のわたしの対処法】パーソナル・スペースの確保。 | 青空の下の美しい世界
参考:パーソナルスペースとは? パーソナルスペースが広い人の特徴と相性とは? 上手な距離感を掴む | iVERY [ アイベリー ]
③聴覚過敏が強まった
3つ目は、『聴覚過敏が強まった』ことです。
聴覚過敏とは感覚過敏のひとつを言いますが、僕の持つ聴覚過敏についてはこちらの記事をチェックしていただけると分かりやすいです。自粛生活を経て、この過敏さがさらに強まりました。
どういうことかといいますと、自粛期間中はずっと同じような音しか聞いていないわけです。ほとんどがテレビの音、家付近の音、妻の声、後は洗濯機の音などの生活音くらいです。あとはこれに自分で聴く音楽が入るくらいでしょう。
こうした限られた音しかない生活に慣れてしまっていたためか、自粛解除後にまた、様々な音を耳にする機会が増えたわけです。そのため、自粛前には何でもなかった音声ですら、疲労の対象になっていたのです。
参考:感覚過敏とは | 感覚過敏研究所
コロナで自粛生活解除後、強まったHSP気質を緩和する対策は?
このような問題によって生じる疲労やストレスを緩和させるため、対策として行っていることがあります。
①気持ちの向け方の度合いを、少しだけ内面から外面に移行する
対策1つ目は、『気持ちの向け方の度合いを、少しだけ内面から外面に移行する』ことです。
おそらくこれを聞いただけでも分かりにくいと思いますので、詳しく説明していきますね。
自粛期間中の意識の向け方は「内面=自分の気持ち・心理」に重きを置いていました。この先どうなるのか、仕事はどうなるのか、健康を保つためにはどうすればいいのか…など、『自分のとの会話』が多かったのです。外にほとんど出ない為、意識の向け方が自然と狭くなっていました。
普段は(自分から)外へのアンテナが向いていましたが、自粛期間中はこのアンテナを使用する機会が少なかったために、『内面重視』のまま出掛けていたのです。
すると、久々に受けた外部からの情報に『びっくり』する自分がいることに気づいたのです。同時にその原因は意識が『内面にしか向いていない』ことであることにも気づきました。こうした驚きや動揺によって刺激が強まっていたのです。
気持ちの問題で抽象的ではあり、全てとは言いませんが対策として、意識を少し外に向けるよう心掛けることで、外部からの刺激による疲労やストレスが緩和されています。具体的には現在は家を出たら『内面4:外面6』くらいの割合にできるように意識しています。
②付近の散歩など、負担のない外出をルーティン化する
対策2つ目は『付近の散歩など、負担のない外出をルーティン化する』ことです。厳密に言うと、『負担のない外出から始めていき、徐々に自粛前の状態に戻していく』となります。
これはもちろん、自粛期間解除によって再び会社への通勤が始まった方には、必要ありません(ただし、通勤中に意識することで良くなるかもしれません)。この対策は、主にテレワーク生活をしている方や、休職中などで自宅にいる方などにおすすめしたい対策です。
1つ目の対策を自宅の中で『イメトレ』のように行っていても、なかなか戻るものではありません。さらには自分の中で悶々としてしまい、かえってストレスになってしまう方もいるでしょう。僕もまた、同様です。家にいても事態は変わるどころか、悪化していきました。
ですから僕は自宅付近を散歩するなど、意識的に外出する時間を設けるようにしました。そうして実践の中で少しずつ『意識を“内面100%”から、外面にも注意を向けるようにする』形に慣れることを心がけたのです。
また、出掛ければ外で生じる音も入ってきます。そのためイヤフォンなどで受け取る量を調節しながら聴覚に関する過敏さを緩和することも工夫しました。
これによって、完全にではありませんが自粛期間前の状態に徐々に戻りつつあります。
連日のように報道される、コロナ情報との向き合い方についてはこちら
これ以外にも、HSPにとって『コロナ報道が辛い』ことで悩んでいる方もいるのではないでしょうか。僕もまた、『○○人感染しました』『○○党の○○はこう言っています』など、毎日のように浴びせられるコロナ情報に参りそうになったほどです。
このような「コロナ情報」との向き合い方として、こちら『【HSP】コロナ情報と向き合う~ストレスをためない3つの工夫』の記事で詳しくお話ししていますので、併せてチェックしてみてください。
おわりに
いかがでしたか。
「コロナはいつ終わるんだ」
全世界の多くの方がそう考えていることでしょう。今でも『コロナには○○が効く』『新しいマスクが開発された』『重症者が増えている』など、数多くの関連情報が入ってきます。そうして自分の生活以外の情報を多く受ける中で、どれだけ自分の生活に集中できるかが大切になって来ると僕は考えています。
またコロナ関連の対策がまとまったら、記事としてお話ししたいと思います。お互い労わりながらやっていきましょう。
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