【当事者ブログ】『HSP』と僕。苦しさ、嬉しさ、向き合い方

hspアイコン

僕も持つ気質「HSP」についてお話しします

こんにちは。フリーライターの林谷です。

今回は僕も当事者である「HSP」について思っていることなどを書いていきます。

そもそも「HSP」とは?

繊細すぎる気質を表す心理学用語

まずHSPを初めて聞くという方に、どんなものなのか特徴など概要を説明しますね。

HSPとは、「Highly Sensitive Person(ハイリ―センシティブパーソン)」の略称で、『とても繊細な人』を指す心理学用語です。くれぐれもタニ ンツ一丁ではないのでご注意ください。

HSPは世界でおよそ5人に1人の割合でいると言われています。僕はまさに、その1人に当選しちゃってるわけです。

HSPの特徴を一言で表すと、

人よりも多くのことに気が付き、気を遣い、傷つきやすい

そんな感じの気質です。そのため感受性や共感性が強い気質があると考えられています。他の人よりも、吸収する情報はハンパなく多い。僕の思うHSPの印象は、そんな感じです。

しかしその情報量に沿った情報を処理できるスキルがあるかというと、そうとは限らないために、疲れやすいケースがあります。他の人はまったく気にしないような、周囲の雰囲気や他人の表情なども気にしてしまい、他人よりもいつの間にか疲れている…そんな悩みが多いタイプなのです。僕もまた友人から「悩むのが趣味」と言われたほど、良く悩むことで疲れやすいことがあります。

参考: HSPとは | HSP診断テスト
参考: HSPの症状でお悩みの方へ | 新宿ストレスクリニック【年中無休】

HSPは、病気や障害ではない「人間のタイプ」を表す言葉

最近になって、『発達障害』がメジャーになってきました。多くのメディアで言われるようになったり、芸能人でも公表する方が出てきたりしていますよね。

この発達障害にはASD、ADHD、LDなど多くのアルファベットで言われる障害があります(詳しくはこちらの記事で紹介しています)。HSPも同じ「アルファベット」であるために、障害なのでは?と思う方もいるかもしれません。

しかしHSPは、障害ではありません。医学用語ではなく、心理学用語なのです。かつ、うつ病などの精神系の疾患でもありません。そのため、医師からHSPで診断書が出る、ということはほとんどないと言ってよいでしょう。

ですからあくまでも「人間のタイプを表す言葉の一つ」として、HSPを覚えておいてくださいね。その他もっと特徴を知りたい方は、下記の参考リンクが非常に分かりやすいです。興味があればぜひアクセスしてみてください。
参考: HSPの能力 | HSP診断テスト
参考: HSPの苦手なこと | HSP診断テスト


HSPかどうかを知るには?

医師の診断はない。専用のテストを受けることで知る方法がある

冒頭でもお話ししましたが、HSPは病気や障害ではありません。そのためお医者さんから「あなたはHSPですよ」と言われることはないわけです。

ではどうやって分かるの?というと、専用の心理テストを受けることで、自身がHSPかどうかを知ることができます。心理テストといっても「目の前に一本の道があります。」のようなよく聞く心理テストとは少し違います。

普段の生活などから「残酷なシーンを見ることが苦手」「コーヒーなどの嗜好品を好む」など、自身の傾向を選択式で答えていくことで判定されるものです。ゲーム感覚のように感じるかもしれませんが、しっかりと心理学の学会で研究されている適正な心理テストになります。

テストは何種類かあるのですが、僕が良いと思ったのはこちらのサイトのテストです。このテストが一番細かく知ることができて、かつ分かりやすいのでお勧めです。よかったらぜひ試してみてください。

ちなみにこのテストでは
もっともHSPに該当しない人がマイナス52点、
もっともHSPに該当する人がプラス140点なんですけど、
僕は114点(非常に強い)でした。
参考:CiNii 論文 - Highly Sensitive Person Scale日本版(HSPS-J19)の作成
参考: 日本心理学会第81回大会


【体験談】HSP気質の僕が苦しんできたこと

①いつの間にか、他人にリンクしている自分がいる

HSPの特徴として、『共感性』が高いというものがあります。

分かりやすく説明しましょう。よく、泣いている人を見てもらい泣き、吐いてる人を見てもらいゲロしてしまう人、居ると思うんです。

HSP気質が強いと、この「もらい○○」が多いんです。『他人といつの間にかリンクしてしまっている感じ』というと分かりやすいでしょうか。そのため相手が辛そうにしているといつの間にか『同化』しちゃって、自分まで辛くなってしまう。そんなことがあるんです。

だからこそ、他人の負の感情に敏感で、見たくないと思うんです。
見たくないためにあれこれ気を遣っていつの間にかくたびれてしまいます。ひどいときは、僕が勤めていた職場で争っている社員同士がいて、蚊帳の外である自分が辛くなりうつ病間際になってしまったりしたことも。

あとは家族が病気で手術、となって手術内容を横で聞いていたら自分にメスが入るかの感覚になって視界真っ白になったことも(僕の方が過去に大きく切ったことがあるにも関わらず)。良く言えば、他人の幸せが自分の幸せと純粋に思えるところがあります。

ただこれも他者への依存性が強くなるリスクの一つです。ですから周囲と関わるうえでこの他人との境目を見定めることが、僕が生きていく上で大きなポイントの一つになっています。

②感受性が強く、受けるダメージが大きい

HSPのもう一つの大きな特徴に、感受性の強さがあります。この影響で他の人より受け取り方が激しいそんなことがあったりします。

分かりやすく言うと、相手から冗談で「バーカ」などと言われたとしても、
僕としては人間の存在全てを否定されたかのような刺激を受けることがあるのです。こうして心の中で自然と、イメージが膨れ上がっちゃう。そんなことがあります。

もちろんこれは一例で、周囲の雰囲気なども読み取ったうえで実際には判断しています。しかしそれでも、他人より根本的に受け取るダメージが大きすぎるのです。知人などに相談しても「そんなの気にし過ぎだよ」「お前は考え過ぎだよ」と苦しみを理解されない辛さがありました。

③他人の心情や反応、空気を深読みして、うまく話せない

この①、②の特徴の影響で、できるだけダメージを受けないように
「どう言えばいいのか」



「こう言えばこう返ってくるだろうから、ここを配慮しながら話さなくては」



「でも、違うケースも考えられるから
もう少し別のケースも想定しよう」

なんていうふうに、何か話すだけでもやたらと「深読み」します。

これが大事な話であればまだいいんですけど、雑談とか何でもない話でも考えてしまうから、何も話せなくて困ることが多かったです。特に恋愛では何を話したらよいかあれこれ考えすぎて、結果何も話せない事が多かったですね。

HSPであることで感じられる嬉しさ

HSPによって得られるものは辛いことだけではなく、良かったこともあります。

①表現力や発想が豊かでいられる

HSPはダメージが10倍、と説明したようにとにかく受け取る情報が多いです。しかしそれは反面、プラスになる情報も多いこともあります。

そのため、僕の場合は
・絵画(良かったらこちらのサイトの作品を見てみてくださいね)
・詩
・ブログなどの文章表現
など、

多く得た情報を活用して様々な表現をすることを自然に行える。これは自分にとって嬉しいことだなと感じています。

②相手に寄り添った表現をしやすい。気遣いが得意

あくまでも解釈は人それぞれなので、僕の表現が傲慢だと思う方もいると思います。しかし、比較的相手の意図を想像しながら表現できることで、共感しやすい表現ができていることや周囲から気遣い・気配りが得意と言われることがあります(気を遣って疲れない?と心配されることもありますが)。

これは常に他者とリンクしていて、相手が嫌なら同時に自分も嫌と思うケースが多いからです。そのためういった文面で表現するときも、「相手から何て帰って来るかな」という反応を先回りして記事に織り込む工夫もできたりします。

③相談されやすい、声をかけられやすい

共感性が高いからか、リンクしていることが分かるのか、僕はよく他人から相談されやすいです(相談をお願いすることは下手なんですが)。また、何か困った時にとりあえず声をかける存在に選ばれやすい。そんなこともあります(面倒なときもありますけど)。

やっぱり他人との境界があまりないことが相手にも分かりやすいからかもしれません。『バリアされてない』というか。ただコントロールしないと騙されたりするリスクもあるので(過去に何回変な勧誘をされたか…)、見極める機会は持つように注意しています。


HSPをどう活かす?どう向き合う?

エネルギー消費の激しさに注意して、無理せず心を休める

HSPは、とにかくエネルギー消費が激しい辛い一面があります。しかも周りから見れば、いつの間にか勝手にくたびれているようにしか見えない時もあるのです。そのために周囲から理解されず、悩むときもありました。

しかしながら、共感性や感受性など活かし方を工夫することで、HSPを仕事などに役立てることも充分可能です。

僕もその共感性を活かしたいと、メンタル心理カウンセラーの資格を取りました。
業務経験はないですが、困っている当事者に寄り添えることができたらと思っています。

また、障害者アーティストとしてももっと活躍していきたいですね。

それを活かすのも、体力や精神力が充実していることが条件です。ですから疲れていたら無理をせず、しっかりと休養を取ることを大切にしています。

参考:パラリンアートアーティストが描く「アート」のつくりかた|キクエスト - 知らない世界を知るメディア

HSPを活かすためのポイント

HSPと向き合うためのポイントを項目にして紹介しておきますね。もちろん、僕自身も気を付けていることです。

①相手との「ここまでしか立ち入らない』境界を決める

冷淡に感じるかもしれませんが、決してひどいことではないので大丈夫です。むしろ深く立ち入り過ぎることを防ぐために大切なことになります。

②一人の時間を設ける

HSPにとって一人の時間を設けることは『最も効果的な休養』『最高の癒し』の一つです。僕もよく意識して取り入れています。同居している妻も気質に関しては理解してくれているので、感謝です。

他人と一緒にいることで、常に大量の情報にまみれていることでしょう。ですからこれを「リセット」する意味でも、定期的に一人の時間を作って「充電」するようにしましょう。

③あれこれ考えすぎる気質は、良い面もあると意識する

人に何かを伝える時に色々考えてしまう。これが悪い方へ向かってしまうこともあります。
しかしそれだけ、言葉や気持ちを大切にしている証拠でもあります。

言葉を大切にしているからこそ、生まれる言葉もあると思っています。ですから一概に否定せず、理解されにくい中でも大切にしてあげることが大切です。

他にもさまざまな活かし方・向き合い方があるので、興味があれば下記の参考リンクも見てみてくださいね。

参考:自分との向き合い方 | HSP診断テスト

おわりに

HSPのこと、当事者である僕なりに色々話してみました。

他にもいろいろあるんですけど、それこそ情報がぐちゃぐちゃになってしまうんで、また次の機会にしますね。

では、またよろしくです。

【セットで読むと良いかも】




コメント