こんにちは。
フリーライターの林谷です。
今日はテーマ『発達障害』のうち、僕も持っている『ASD(自閉症スペクトラム)』についてお話ししていきます(僕が持つ発達障害・ASDについてはこちらをご覧ください)。
フリーライターの林谷です。
今日はテーマ『発達障害』のうち、僕も持っている『ASD(自閉症スペクトラム)』についてお話ししていきます(僕が持つ発達障害・ASDについてはこちらをご覧ください)。
ASD(自閉症スペクトラム)についてのおさらい
「”ASD”について初めて聞く」方、「もう一度ASDについて見直していきたい」という方のために、
その特徴や傾向について簡単に説明していきましょう。
ASD(自閉症スペクトラム)は、発達障害の一種で『生まれつき持つ』障害です。主にコミュニケーションにおいて苦労しやすいと考えられています。
日本人のもともとの文化にある、『はっきりと言わず、互いに察し合って対話する』ということが苦手であることなど、非言語コミュニケーションが苦手な傾向があります。
他に弱みとしては
◆感情表現が苦手
その特徴や傾向について簡単に説明していきましょう。
ASD(自閉症スペクトラム)は、発達障害の一種で『生まれつき持つ』障害です。主にコミュニケーションにおいて苦労しやすいと考えられています。
日本人のもともとの文化にある、『はっきりと言わず、互いに察し合って対話する』ということが苦手であることなど、非言語コミュニケーションが苦手な傾向があります。
他に弱みとしては
◆感情表現が苦手
◆変化に弱く、想定外の事態に適応することが苦手
などがあり、
良い面としては、
◇特定の物事への執着が強く、継続できる力がある
◇記憶力が良い場合がある(詳しくはこちら)
などがあると考えられています。
こういった特徴から周囲との感覚のずれによって、ストレスをためる機会が多いこともあるのです。
参考:自閉症の成人は周辺環境の変動性を過大評価する傾向がある | Nature Neuroscience | Nature Research
参考:大人の「自閉スペクトラム症(ASD)」とは?特性の理解が大切! | NHK健康チャンネル
ASD当事者が持つ、ストレスを生みやすい思考がある
僕自身、ASDを持つ当事者です。上で挙げた特徴は、おおむね該当していると感じています。過去にも他者とのすれ違いでストレスをためること、沢山ありました。それでうつ病を発症したこともあるほどです。
こうしたストレスは、気づかないうちにジワジワと溜まっていることが多いので、本当に厄介です。このような周囲とのすれ違いや体調悪化を防ぐため、何がストレスやずれを生んでいるのかを考えました。
考えた結果、自分には『ストレスになりやすい思考のくせ』があるのではと思ったのです。
ではどんな考え方がストレスにつながりやすいのか、ヒントは上の特徴のうちの『変化に弱く、想定外の事態に適応することが苦手』にありました。
こうしたストレスは、気づかないうちにジワジワと溜まっていることが多いので、本当に厄介です。このような周囲とのすれ違いや体調悪化を防ぐため、何がストレスやずれを生んでいるのかを考えました。
考えた結果、自分には『ストレスになりやすい思考のくせ』があるのではと思ったのです。
ではどんな考え方がストレスにつながりやすいのか、ヒントは上の特徴のうちの『変化に弱く、想定外の事態に適応することが苦手』にありました。
参考:ASD(自閉症スペクトラム症、アスペルガー症候群)について | e-ヘルスネット(厚生労働省)
参考:障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮に関する Q&A(厚生労働省)
【ASD要注意】ストレスになりやすい考え方 『”ヤマ”を張る』
生活の流れの中で『ヤマ』を張り過ぎていませんか
さて、
『変化に弱く、想定外の事態に適応することが苦手』
この特徴がストレスと深い関わりがある、とお伝えしました。
これはなぜかというと、
『常に“ヤマ”を張って生活するようになるから』です。
良く言われるルーティーンなどへのこだわりは、イコール『間違いない鉄板の“ヤマ”』であるために固執しやすいわけです。
もう少し細かく解説していきましょう。ASDの持つ傾向として『変化』が苦手な点。
これは『どうなるか、なってみないと分からないこと』について強い不安を感じるためです。
これを学校のテスト勉強に例えると、『特定の範囲に絞って勉強する=ヤマを張る』ことに近いです。そのヤマが当たって、その通りにテスト問題が出ればOKでしょう。しかしヤマとは全然違う問題がテストに出たら、もうパニックですよね。その時点で諦めてしまうこともあるでしょう。
僕はよく、生活の中でこうした『ヤマ』を張ることが多くあります。特に精神的に疲れている時、不安が強い時に傾向が強く出ます。不安になりたくない気持ちから、『想定外が来ないよう、”自分で想定し続ける”』形をとる為です。
例を出して説明していきましょう。
『変化に弱く、想定外の事態に適応することが苦手』
この特徴がストレスと深い関わりがある、とお伝えしました。
これはなぜかというと、
『常に“ヤマ”を張って生活するようになるから』です。
良く言われるルーティーンなどへのこだわりは、イコール『間違いない鉄板の“ヤマ”』であるために固執しやすいわけです。
もう少し細かく解説していきましょう。ASDの持つ傾向として『変化』が苦手な点。
これは『どうなるか、なってみないと分からないこと』について強い不安を感じるためです。
これを学校のテスト勉強に例えると、『特定の範囲に絞って勉強する=ヤマを張る』ことに近いです。そのヤマが当たって、その通りにテスト問題が出ればOKでしょう。しかしヤマとは全然違う問題がテストに出たら、もうパニックですよね。その時点で諦めてしまうこともあるでしょう。
僕はよく、生活の中でこうした『ヤマ』を張ることが多くあります。特に精神的に疲れている時、不安が強い時に傾向が強く出ます。不安になりたくない気持ちから、『想定外が来ないよう、”自分で想定し続ける”』形をとる為です。
例を出して説明していきましょう。
【僕の『ヤマ』とその心情例】
※黒太字が「ヤマ」、ピンク文字がその時の心情です。
◆僕がこう言えば、相手はこう返してくるに違いない
→何を言ってくるか分からない展開が辛い
◆僕がこう歩けば、相手は僕の右を歩くに違いない
→右か左かどっちを歩くか決めて、その場での判断をなくしたい
◆これをやっておけば、明日は大丈夫に違いない
→ルートを決めないと、スムーズに作業できない
◆僕が改札を通れば、相手は察して他の改札を選ぶべきだ
→『進む』と決めた以上、急にそれを変えたくはない
など、気が付くと人生の行動すべてが、『修学旅行のプログラムみたいに計画されている』なんてことがあったんです。この『ヤマ』を張る特徴はASDの当事者全員がそう、とは言い切れません。しかし環境変化が苦手である場合、思い当たる方もいるのではないでしょうか。
◆僕がこう言えば、相手はこう返してくるに違いない
→何を言ってくるか分からない展開が辛い
◆僕がこう歩けば、相手は僕の右を歩くに違いない
→右か左かどっちを歩くか決めて、その場での判断をなくしたい
◆これをやっておけば、明日は大丈夫に違いない
→ルートを決めないと、スムーズに作業できない
◆僕が改札を通れば、相手は察して他の改札を選ぶべきだ
→『進む』と決めた以上、急にそれを変えたくはない
など、気が付くと人生の行動すべてが、『修学旅行のプログラムみたいに計画されている』なんてことがあったんです。この『ヤマ』を張る特徴はASDの当事者全員がそう、とは言い切れません。しかし環境変化が苦手である場合、思い当たる方もいるのではないでしょうか。
『ヤマ』が外れるとストレスを生むおそれが出てくる
多少の計画であれば、生活の負担を減らすメリットもあるでしょう。しかしこれの度が過ぎると、ストレスを増やしてしまうおそれがあります。上の例で予想と違う反応があった時、僕はこんなストレスを感じてしまうことがあるのです…
【僕の『ヤマ』、想定外が起きると…】
◆僕がこう言えば、相手はこう返してくるに違いない
→どうしてそう言ってくるんだ!?
解説:予想と違う言葉に動揺している
◆僕がこう歩けば、相手は僕の右を歩くに違いない
→どうして左を歩くんだ!?そこは右って決まってるだろう!!
解説:あらかじめ想定した歩き方ができずイライラする
◆これをやっておけば、明日は大丈夫に違いない
→お前がその通りにしないからおかしくなっただろう!?
解説:(あくまで個人的な)計画が崩れたことで不満を持つ
◆僕が改札を通れば、相手は察して他の改札を選ぶべきだ
→そこは入って来るケースじゃないだろう!!常識あるのか!!
解説:もはや『入らないもの』というルールになっている
…どうでしたか。いざ改めて文章にしてみると、吐きそうなくらい『傲慢だな』と自分でも思います。
余談ですが、そもそもASDに限らず人間の怒りって、自分ルールから外れたものを見た時に起きやすいそうです(詳しくはこちらのサイトの記事で怒りの仕組みについて解説されています)。ですからASDの強いこだわりは、これよりさらに多く『怒りスイッチ』を沢山持ってしまうということにもつながるリスクがあるのです。
→どうしてそう言ってくるんだ!?
解説:予想と違う言葉に動揺している
◆僕がこう歩けば、相手は僕の右を歩くに違いない
→どうして左を歩くんだ!?そこは右って決まってるだろう!!
解説:あらかじめ想定した歩き方ができずイライラする
◆これをやっておけば、明日は大丈夫に違いない
→お前がその通りにしないからおかしくなっただろう!?
解説:(あくまで個人的な)計画が崩れたことで不満を持つ
◆僕が改札を通れば、相手は察して他の改札を選ぶべきだ
→そこは入って来るケースじゃないだろう!!常識あるのか!!
解説:もはや『入らないもの』というルールになっている
…どうでしたか。いざ改めて文章にしてみると、吐きそうなくらい『傲慢だな』と自分でも思います。
余談ですが、そもそもASDに限らず人間の怒りって、自分ルールから外れたものを見た時に起きやすいそうです(詳しくはこちらのサイトの記事で怒りの仕組みについて解説されています)。ですからASDの強いこだわりは、これよりさらに多く『怒りスイッチ』を沢山持ってしまうということにもつながるリスクがあるのです。
もちろん僕も怒りの感情は、全て外に出すわけではありません。他者から見ればそれが『勝手なことだ』ということも頭では分かっているからです。
しかしそれでも『ヤマ』なしには、進めない辛さがあります。結果不満はあるけれど、それは自分の事情だから怒れない葛藤…これが続きます。この積み重ねで、心身共に疲れ切っている自分がいました。
参考:うつ病|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省
【体験談】ストレス改善のため『“ヤマ”の断捨離』をした
さて、僕自身沢山の『ヤマ』に縛られて、不眠やめまいなど、うつ病の症状になったこともありました。
こんな状態を続けていたら、体が持たない。
そう判断した僕は、あることをしました。『 断捨離 』です。
タイトルの○○○、答えはこの『断捨離』です。
とはいっても部屋の片づけをする、不要な家具や家電を捨てる、メルカリに出す…などではありません。
こんな状態を続けていたら、体が持たない。
そう判断した僕は、あることをしました。『 断捨離 』です。
タイトルの○○○、答えはこの『断捨離』です。
とはいっても部屋の片づけをする、不要な家具や家電を捨てる、メルカリに出す…などではありません。
整理するものはこの『ヤマ』です。日常の中で感じている様々なこだわりについて見直し、本当に必要なものだけを選んでいく作業をしました。これを行ったことで、再発しそうだったうつ症状が、1日で改善されたのです。過去にうつ症状になった時には何年もかかったものが。その時は奇跡かと思いました。
そんな方法、どうやって行ったのか。具体的な例を紹介していきますね。
そんな方法、どうやって行ったのか。具体的な例を紹介していきますね。
ステップ1:一日の生活での『ヤマ』を書き出してみる
まず、生活の中で感じる『~でなければならない』『~べき』こと(=ヤマ)を書き出して行きます。
◆電車の双方向に通れる改札は、目の前の人の状況を見ながら通るべきだ
◆仕事を達成するために、みんなも正しい方法を実践するべきだ
◆今日は請求書類の確認期限だから、その作業を優先するべきだ
など
例
◆朝はバスに乗る前に、カフェでコーヒーを飲まなければならない◆電車の双方向に通れる改札は、目の前の人の状況を見ながら通るべきだ
◆仕事を達成するために、みんなも正しい方法を実践するべきだ
◆今日は請求書類の確認期限だから、その作業を優先するべきだ
など
ステップ2:今日一日で行う『メインの目的』を書き出してみる
次に『仕事に行って、問題なく行って帰って来る。』など、『今日の生活で絶対に必要な行動』を考えます。
ステップ3:ステップ1の「ヤマ」とステップ2の「メインの目的」を見比べる
次は、自身が持つ『ヤマ=こだわり』と、本来行わないといけない『メインの目的』を見比べてみます。
ステップ4:メインの目的とは直接関係ない『ヤマ』を、一旦外してみる
ステップ3で見比べた結果、メインの目的を達成するために関係のない「ヤマ」を、以降しばらくの間『しない=一旦外す』ように意識していきます。
ここを『捨てる』ではなく『一旦外す』にしたのは、自分の中にあるこだわりを『否定しすぎない』ためです。
僕の場合、この作業後に同じヤマを張るということはありませんでした。実際には『捨てた』と同じ状態になってはいます。しかしながらこの辛い状態で自分が守ってきた『ヤマ』をいきなり0にするのって、反対に自身の心に負担がかかり過ぎてしまいます。
したがってコツとして『一旦置いておく』くらいの気持ちで『ヤマ』と向き合ってあげると、改善がスムーズにできた。そんな印象を僕は持っています。
ここを『捨てる』ではなく『一旦外す』にしたのは、自分の中にあるこだわりを『否定しすぎない』ためです。
僕の場合、この作業後に同じヤマを張るということはありませんでした。実際には『捨てた』と同じ状態になってはいます。しかしながらこの辛い状態で自分が守ってきた『ヤマ』をいきなり0にするのって、反対に自身の心に負担がかかり過ぎてしまいます。
したがってコツとして『一旦置いておく』くらいの気持ちで『ヤマ』と向き合ってあげると、改善がスムーズにできた。そんな印象を僕は持っています。
おわりに
繰り返しになりますが、
これはあくまでも当事者である僕個人の経験によるものです。ASDを持つ人全員がこの傾向にあるということではありません。
しかしもし、
◆周りが許せなくてイライラする
◆周りが言うことを聞いてくれない
◆誰も自分のことを分かってくれない
こんなふうにストレスが溜まっていたら、一度あなたが張っている『ヤマ』について、この記事を思い出しながら見つめ直してくれる方が一人でもいたら、僕はそれだけで嬉しいです。
これはあくまでも当事者である僕個人の経験によるものです。ASDを持つ人全員がこの傾向にあるということではありません。
しかしもし、
◆周りが許せなくてイライラする
◆周りが言うことを聞いてくれない
◆誰も自分のことを分かってくれない
こんなふうにストレスが溜まっていたら、一度あなたが張っている『ヤマ』について、この記事を思い出しながら見つめ直してくれる方が一人でもいたら、僕はそれだけで嬉しいです。
対処法『ヤマの断捨離』のポイントをまとめました。
①1日のヤマを書き出す
①1日のヤマを書き出す
②今日一日に行う「メインの目的」を書き出す
③「ヤマ一覧」と「メインの目的」を見比べる
④メインの目的に不要な「ヤマ」を一旦外しておく
辛くなったらこの4ステップ、ぜひトライしてみてください。
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