こんにちは。または読みながら乾杯、
林谷です。
今日は僕が『警察を辞めたあとの就職活動で悩んだ点』を3つ紹介します。
僕が初めて勤めた職場が、警察です。これを公にするのって、このブログが初になります。これまでは、情報漏えいの問題もあるので記事の内容としては控えていました。しかし『退職後』の僕の行動にあっては今警察にいる方たちにも迷惑は掛からないと思い、記事化を決めました。
ちなみに、警察官在職中に関しての記事は、こちら『【体験談】発達障害の僕が警察官の仕事で学んだこと、苦手だったこと』をご覧ください。
辞めた後の就活なら、『警察官』関係なくね?
こう思った方もいるかもしれません。しかし、世間はそんなに甘くなかったのです。加えて発達障害の診断を受けたばかりで、自分自身もどんな就活手段があるかもわからない…そんな感じでした。本格的には1年間くらい就活をしていました。嫌々ながらも毎週水曜日にハローワークに通いながら『(仕事が)ないな…ないな…』なんて言ってました。
具体的にはどんな点に苦労したのか。警察だけでなく、『副業が禁じられている』公務員を残念ながら退職することになった場合でも、共通していることがあるかもしれません。もしこれまで頑張ってきたけれど辞めざるを得なかった…もしくは辞めたい、という方にも事前準備として聞いていただければ幸いです。
【発達障害体験談】僕が警察を辞めた後の就活で悩んだ点
①面接官の第一声で『なんで(こんないいところを)辞めたんですか?』が多い
1つ目は『採用面接』についてです。その中で、
『面接官の第一声で「なんで(こんないいところを)辞めたんですか?」が多い』
ことでした。
先にお伝えしておきますが、実際にはどの会社、どの職場が良いという優劣は個人の中にあるものです。給料が安定していても精神面が安定していなければ、『安定した職場』とは言えません。少なくとも僕にとって警察は、安らげる環境ではなかったです(もちろん、良い環境である一面もあります)。しかしながら僕が受けた企業の方のイメージは
◆警察は給料が良く、安定している
◆警察は威厳ある、素晴らしい職業
◆警察はクビになることがめったにない
こんなイメージを持っているらしく、面接官の質問の第一声がいつも『何で辞めたんですか?』だったんです。
本来の理由は『上司とうまくいかなかった』『うつ病になったから』でした。今は割とメンタルヘルスが認知されてきて、これを正直に言っても良い風潮になっています。ただ当時はまだ今から10年弱くらい前で、ネガティブなことを言うと印象が落ちる風潮を感じていました。
そのため無理やりでも『警察から心機一転、新しい境地で頑張ろうと思いまして…』と言っていたんです。これだけでもう印象、良くなかったんですよ。『こいつ何なんだ?』という見られ方ですよね。
おそらくは面接官の心理の中に『警察を辞めるということは、よほどの問題がない限りクビにならないのだから、何か問題がある人なのかもしれない』という不安を持たせてしまうのだと思います。実際に『安定している職場なのにどうして?』と聞かれたこともありました。
少なくとも当時は、このネガティブな事由をカバーできるようなスキルや意識はなかったです。最終的に地域の就労支援センターの力をお借りして就職できたのですが、自力ではおそらく無理だったと思います。
今まで『ネームバリュー』として、警察が後の就活に活きたことはないです。
②企業にアピールできるスキル・資格がない
2つ目は
「企業にアピールできるスキル・資格がない」
ことです。
これはどういうことかというと、警察は内部資格や警察でしか使用されないスキルなどが多くありました。僕も情報処理の検定とか業務に使用する資格はいくつか取りました。でもそれ、警察でしか適用されない内部資格が多かったんです。
在職中に全部で10個近く資格を取ったはずですが、その中で退職後にも活きたのは『剣道三段』だけです。これも就職前までに二段まで取っていましたから、純粋に警察で取った資格ではないでしょう。
また業務も、警察独自の仕事がとても多くあります。ですから民間企業に『遺失届の処理を頑張りました』とか言っても、相手は『?』なわけです。仕方ないことなのですが、すごさがわからないんですよね。
こうした後にも活きる資格を持っていなかったために、自分をアピールする方法が見えませんでした。
(当時持っていた資格)
□普通自動車運転免許 → あっても下手だからアピール不可
□剣道三段
□漢字検定二級
□ビジネスコンピューティング3級
この4つだと、企業には良さは見えなかったと思います。剣道も就活においては『礼儀正しさ』程度のメリットですよね、選手でもなければ。運転は天才レベルで下手なので、持っていながら書きたくなかったんです。でも他に書くものがないから無理やり書いていたくらいでした。
ほぼ全く自信を持てるスキルがない。そんな状態でした。『実務経験なし』『スキル・資格なし』こうなると、働く選択肢が本当にありませんでした…。何よりも『これまで頑張ってきたことを話せない』というのが辛かったです。
最終的に休養中にパソコン教室に通い、ワードとエクセルのMOS資格を取りました。就活に当たり改めて『パソコンができます』というスキルを身につけて臨んだのです。
参考: MOSとは|MOS公式サイト
③面接で仕事内容を伝えられない、経験の価値を共有できない
3つ目は
「面接で仕事内容を伝えられない、経験の価値を共有できない」
ことです。
ほとんど警察の仕事は、保秘が必要なものばかりです。例えば面接で過去の経歴として『これまでに○○人逮捕しました』『こんなすごい捜査本部にいたんですよ!』なんて言う人がいたら、逆に人間性が疑われます。そもそも法律で、退職後も業務について口外するのは禁じられていますから(さらにそもそも僕にそんな輝かしい功績は、ありません)。
でも『こんな仕事をしてきました!』ってアピールできることって、言えないか分かってもらえないかなんです。『それってどれくらいすごいことなの?』とその価値を共有してもらえない。これは大変でした。
悩みに悩んでパソコンのスキルはあったので、
◆エクセルやワード(ちょっとだけVBAをいじってました)
◆簡単な端末機器の配線作業
◆公用パソコンのトラブル時の業者対応
こんな感じに細分化してお伝えできるようになったのは、かなり先のことでした。
参考:地方公務員法
【反省点・改善点】就職活動のために不足していたこと、改善したこと
①自分自身、発達障害に関する知識不足
このころは発達障害と診断された間もなかったので『仕方ない』と言えばそうなのですが、
障害に関する知識を知りませんでした。ほとんどがカウンセラーの方などの受け売りで、自分自身に当てはめて考えるなどをしていなかったのです。そのため、知識と現状のずれが多くありました。
そもそも、それ以前に『自分のことを具体的に説明する』ということにまず、とても苦労しました。
このようなことから『○○のケースでは、□□な対応をしていきたいです』のようなことを全く言えなかったんですね。当時はただ漠然と『辛かった』『嫌だった』というイメージしか感じていなかったのです。
例えば障害者雇用の面接ですと、『企業にお願いしたいこと』を聞かれます。これは企業にサポートしてもらいたいことを伝えるものなのですが、せいぜい言えたのは『電話が苦手です』『車の運転はできません』くらいでした。本来はこれに加えて
◆どんな理由や事情でできないのか
(相手が見えないコミュニケーションが不安、など)
◆何かカバーすることでできる可能性はあるか
(定型の取次ぎだけならできる…など)
◆できない場合、それを補える方法はあるか
(電話ではなくメールやチャットならできる…など)
こんな感じでその後の対応イメージが沸きやすいように言えたらよかったのですが、当時は全く思いつきませんでした。
そのため地域の就労支援センターの方と相談し合って『苦手な状況』をイメージし、上記の事項を思い出していったのを覚えています。
②どんな企業や業界があるのか知らなかった
人によりますけど、警察って本当に視野が狭くなりやすい職場です。そのため辞めた当初はどんな働き方があるか、どんな業界があるのか全く知りませんでした。その調べ方も知らなかったほどです。
今はある程度知られているとは思いますけど、当時僕は『ダイバーシティ』の意味を知りませんでした。多様化を意味する、今では脳の多様化『ニューロダイバーシティ』などでも話題になっているワードです。
この後就職した会社で『ダイバーシティってどんな意味?』と聞かれました。その時僕はど真面目に『お台場シティ』について語ったくらい、世間の状況を何も知りませんでした。バカ丸出しです。そんなでしたから、面接でも内容のある話ができませんでした。
そういった情報を得ること、さらに得るための手段も知らず、本当に苦戦しました。当時地域の就労支援センターのサポートがなかったら、就職は無理だったと思っています。
自分を見定めて、他人(企業など)を研究する。
それがうまく組み合わさるかな…というところを受けてみる。
こうして客観的に状況を見ていくということができませんでした。これも支援機関の方と相談しながら、一つずつ組み立てていったのです。
今は就労移行支援事業所など、こういった情報を得る手段や実現に近づけるプロセスが充実してきたなあ…と当時の僕が置かれていた環境と比べるとそう思います。
③警察で行った仕事の中で、どの企業も共通して行っていることを見つける
警察内にいると、世間ではどんな企業が、どんな仕事をしているかは分かりませんでした。これは警察だけでなく、ずっと一つの企業に勤めていた場合であれば同じ状況になりやすいのではないでしょうか。
自分が行ってきたことは、他の企業でもやっていないかどうか。面接などで話すためにもう一度考え直してみることをしました。何もかも独自ではないはず。そうして考えた結果出てきたスキルが
◆パソコンスキル
◆人事・総務系の事務処理スキル
でした。
少ないかもしれませんが、絞りに絞って出したのがこの2つでした。このスキルは就活だけでなく、以後の仕事にも大きく役立っています。
おわりに
うつ病になってから、今年で10年が過ぎました。あれだけ長く感じた苦しい期間も、今思うと『もう10年か』という感じです。
警察を辞めていきなり放り出されて、かつ『発達障害』という課題もクリアしなければいけなかった。少なくとも当時の僕には『不利』な条件でした。しかしだからこそ、今でもこうして言葉にできるくらいに意識できるようになりました。
もし同じ環境から同じ条件(うつ病)で辞めてしまった方。まずは体を休めてください。心を休めてください。そのあと『第一歩』として、今日お話しした問題の1部でも参考にしていただけましたら幸いです。
【セットで読むと良いかも】
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