【大人の発達障害】就活で『強みがない』悩みの原因TOP3

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発達障害の「強み」についてお話しします

こんにちは。フリーライターの林谷です。
e-typing『Thunder』レベルで打ってます(1分あたり312文字。詳しく知りたい方は『e-typing』のサイトをご覧ください)。

これもまた、僕の強みです…と今回は、そんな『強み』についての話です。僕自身も発達障害のひとつ、ASD(自閉症スペクトラム)を持っています。今だからこそ強みだと言い切れるものがありますが、初めからこんなだったわけではないのです…

発達障害は『個性』『強み』を活かすというけれど…

そもそも強みがないし!

良くニュースや発達障害関連のサイト、コラムなどを見ると強みを活かして働こう』『個性を活かした環境選びが大事というフレーズを目にした、耳にしたことはありませんか?確かにこれらは「正解」です。多くの方もこの考えで行けば上手くいくということは、分かっているかもしれません。

…ただ、いざ自分自身を振り返ってみると『やっぱ、強みなんてないよな』『個性を活かすなんて綺麗事だよ』と思いがちなケースもあるでしょう。『発達障害のせいで、いじめられたことしかないし!』あっ、これは僕でした。このように自分が持つ障害に『メリットを感じろ』と言われても、すぐにそう思えないのが正直なところです。

強みがないから、どんな環境がいいかなんて知らない!

『強みなんてない』『自分にメリットなんてない』こういう発想は、パズルで言うと自分がどんなピースかも分からないわけです。どこが出ていて、どこがへこんでいるのか。もしくは真四角なのかもしれない…それも分かりません。

となると、どんな会社、どんな働き方(=どんなピース)に合うかなんて夢のまた夢…です。自分が何者なのかもわからないまま、『どんな環境がいいかなんて、入ってみないと分からない!』という出たとこ勝負で痛い目を見る…そんなことを僕も経験してきました。

僕も『強みなし』の時期があった

僕、冒頭でタイピングの自慢をいきなり始めたわけですけど、僕自身も『自分の強み』が分からない時期がありました。

就活の際、1年間就労移行支援事業所でトレーニングしていた時期があったんです。この時毎月スタッフの方と相談する機会がありまして、事前の資料として『希望の職種』『訓練内容』などを書くアンケートを出す機会があります。ここに『自分の強み』を書く欄もありましたが、僕は半年間「空欄のまま」で出していました。忘れていたのではなくて、書けなかったんです。

『僕には強みがないんです』と申告し続けていました。今日はそんな僕の経験から『発達障害を持つ人の強みが見つからない原因となる考え方TOP3』を紹介していきます。

発達障害を持つ僕の、『強みがない悩み』の原因TOP3

第3位:人の特徴には、二面性があることを知らない

第3位
人の特徴には、二面性があることを知らない
ということです。

分かりやすく言うと、一つの性格や人の特徴で『良いところだけ』『悪いところだけ』というものはないことになります。例えば僕で言うと、『細かく物事を考えすぎる』デメリットの反面には『思慮深さ』というメリットがあるのです。

自身の特徴が原因で批判されたり、いじめられたり、はたまた他者に迷惑をかけたりすると、『悪いもの。良くないもの』として自分の中に留めてしまいがちです。僕も『人を不幸にさせるものなら、良い特徴じゃない』と、強み候補から削ってしまっていました。

ただこのような特徴から派生して起きた問題は、周囲の価値観やニーズと合わなかっただけなのです。それがすべてと思いたい気持ちも分かります。違う正解があるなんて面倒なことを考えたくない…僕もそんなことを意識していました。

しかし、現れている特徴には、必ず「メリット」「デメリット」の二面性があります。あなたの特徴も、本当に『不幸にさせているだけ』『迷惑をかけているだけ』でしょうか?
 

第2位:資格や肩書きのあるものだけから探している

第2位は、
資格や肩書きのあるものだけから探している
ことです。

よく『TOEIC○○点』『簿記1級』『司法試験合格』など、パッと見ただけでスキルが分かりやすい資格や肩書きってありますよね。あっ、ちなみに僕は上の3つ全部持っていません。

強みを探そうとすると、どうしても上の資格のような『誰にでも分かりやすいもの』ばかりに執着してしまいがちです。これもまた、僕も悩んだ原因のひとつでした。

例えば、『常に穏やか』『人当たりが良い』なども強みと言えるものです。ただ僕はこれをどう説明したらよいか、言い方や表現方法を考えることをつい避けがちにしていました。

理由は簡単。このような明確な評価がないスキルは、自分で説明することが多くなるからです。さらには理解してもらうために、具体的なエピソードもつける必要が出てくるでしょう。そうなると『言ったところで分かってはもらえない』『そんなことを言ったって強みだと思ってくれない』そんな不安からつい資格や肩書などに目を向けてしまうのです。

そしてそれがないことで落ち込む。これの繰り返しでした。

第1位:客観的な評価を気にしすぎる

第1位
客観的な評価を気にしすぎる
ことです。

例えば僕の場合、『発想力』『作業や配慮のきめ細やかさ』が最終的に強みとして決まったことでした。これがなぜギリギリまで出てこなかったのかというと、過去の職場でその性格が原因で周囲から嫌がられていた経験があったからです。発想力が原因で周囲を振り回してしまったり、細かいことが原因で周囲から煙たがられたりしたことがありました。

今から考えれば、単純に向こうは僕と同じようにできないから、僕を『やりすぎ』と決めて自分を正当化したかったのだろう…と判断しています。ただそれでも否定されると、『アイディアは悪なのか』『細かいことは悪なのか』と考えてしまっていたのです。

こういった周囲の評価を気にし過ぎてしまい、消去法で消していっていつの間にか『強み欄:記載なし』が続いてしまっていました。

ハッキリ言えば就活でアピールする強みは『自己申告』ですから、それが企業や社会に必要かどうかをジャッジするのは、『企業(就職したい場所)側』なんですね。自分でジャッジする必要はないんです。

ここを自分でジャッジしてしまうことで、可能性の半分がなくなります。

【大人の発達障害】就活で自分の強み、アピールポイントを見つけるためのヒント

では、発達障害を持ち就活で自分の強みやアピールポイントをどうやって見つければよいいか、僕が足掻きながら辿り着いた『3つのヒント』を紹介します。

ヒント1:苦手なこと、できないことの根本を考えてみる

1つ目
苦手なこと、できないことの根本を考えてみる』ことです。

一見ダメなところを見て何になるの?と思うかもしれませんが、先ほど言った通り、特徴は『表裏一体』です。良い部分と言うのはなかなか見えにくいかもしれませんが、悪い部分は印象として残っていることが多いのではないでしょうか。

その悪い部分にどんな特徴が絡んでいたかを振り返ってみてください。そのあと見つかった苦手なところ、できないところの『反面』を見てみましょう。実際にそれに良いことがあった・なかったは抜きにして、自分の特徴を全部『反対』にしてみることで強みのヒントが見えてきます。

ヒント2:些細なことでも、『ありがとう』と言われたことを思い出してみる

2つ目
些細なことでも、「ありがとう」と言われたことを思い出してみる
ことです。

『お年寄りに席を譲ってあげた』『落ちたハンカチを拾ってあげた』こんなことでも構いません。些細なことでも『ありがとう』と言われたことのある行動を思い出してみてください。『ありがとうリスト』など、紙に書きこむことも良いかもしれません。

リストにまとまったら、次にその『ありがとう』と言われたのはどんなことが原因なのかを思い出してみてください。上の例で例えると、『目の前にお年寄りの方が立っていることに“気づいた”から』『ハンカチが落ちたことに“気づいた”から』になりますよね。
ここで見えてくる強みは『良く“気づく”こと』になるわけです。

このように些細な出来事を振り返って人に感謝される行為をする…これは職場でも応用できることが多い強みだと思っています。

③診断ツールなどを活用して、結果をもとに組み立ててみる

3つ目は、
診断ツールなどを活用して、結果をもとに組み立ててみる
ことです。

『ただの心理テストだろう』『あてにならない』そう思う方もいるかもしれません。しかし、何の土台もなく自分がどんな人物か見えない場合、このような診断テストを受けることも強みを知る手段の一つです。

おすすめするのは有料のものでは『ストレングスファインダー(現クリフトンストレングス)』、無料のものではリクナビNEXTの『グッドポイント診断』などがおすすめです。

もちろんこの結果を受けて終わり…ではありません。この結果をスタート地点として、自分の経験や『ここは違うなあ』という点を調整することでオリジナルの『アピール表』を作っていくことが大切です。

ちなみに僕は、グッドポイント診断を受けました。長所は基本5つ表示されますが

・独創性
・受容力
・感受性
・冷静沈着
・親密性

この5つが出ました。まさに『自分HSPです』と言っているような特徴が出てびっくりしました。当たっています。


おわりに

いかがでしたか。

どうして発達障害だけ『環境や個性』を強調されるのだろう?と疑問に思ったことはありませんか?それは発達障害を持たない方は、現状の社会では平均的にこなすことができ、どの場所でも一定の成果が出せることが多いからです。

しかし、凹凸の激しい発達障害の場合、これと同じ生き方はできません。上のような環境に無理をして入っても、『凹』の部分を埋めることで終わってしまうでしょう。

発達障害は『難易度ハードモード』かも知れません。でもその分達成した時に得るものは大きい、そう無理やりにでも信じて僕は日々記事を書き続けています。

今日の話で1ミリでも『ちょっとやってみようかな』が芽生えたら、僕は嬉しいです。


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