【うつの過ごし方】休養中にできることで、後々効果的だったこと3つ

うつ休養中の過ごし方は、必ず良い財産になる

うつ病で休養中、『再就職しなくては』という焦りがあった

再就職のためのテクニックばかりにとらわれていた

こんにちは。フリーライターの林谷です。今日は僕の『うつ体験』についてお話しします。

僕は31歳のころに、職場のストレスが原因でうつ病になりました。その後こちらの記事のような症状とおよそ4年間、向き合ってきたのです(その他僕について詳しくは、こちら『【発達障害・HSP当事者】はじめまして、フリーライターの林谷です。』をご覧ください。)。

やっぱり何よりも、『お金を稼ぐ術がなくなった』というショックから焦りがあったことを覚えています。傷病手当もなくなり、退職金も使い果たし、日に日に貯金額がなくなっていく…という状態でした。

そのため、「早くお金を稼ぐ方法を見つけないと」と履歴書の書き方や面接での答え方などについ、執着してしまっていたことがあったのです。

就職活動と関係のないことでも、後々大切な財産になるものがある

休養中の過ごし方によって、自身の基盤を整える機会になっていた

もちろん再就職できたのはこのような就職活動であったり、当時サポートしてくださっていた就労支援センターの方の協力があったりしたから達成できたものです。

しかし、その後の仕事や日常生活の中で『大切な基盤』となった行動がありました。今回はそのような休養中に行ったことで『就職には効果の薄いことだけど、後々の自分に大切になってくるかも』という行動について3つお話しします。

【うつの過ごし方】休養中にできることで、後々効果的だったこと

①インプットをする

1つ目は、『インプットをすること』です。僕はうつ病発症当初、何もインプットできないような精神状態になりました。ですので時期的には、発症から半年くらい経ったころくらいでしょうか(発症から半年間は、とにかく感情に任せて心身を休ませていました)。はじめは少量から、少しずつ吸収する形でスタートしていったのです。

インプットの過程を紹介していきますね。

ステップ1:本を目にする

はじめはほんの2、3行くらいしか読めませんでした。良くて1ページ。ここからスタートしました。当時はそれだけでクタクタになっていたのを覚えています。

後のステップ3でもお話ししますが、散歩中書店に寄って、ただ並ぶ本の背表紙のタイトルを見るだけ、というのも後々世間の状態を知ることにつながりました。

ステップ2:音声から吸収する

ステップ1と同時期に、録音したラジオ番組やアドバイスの動画の音声だけを聞いていました。

音声は聞いているだけなので、労力が少なくて済むのがメリットになります。起き上がれなくても、寝ながら聞くでも良いわけです。

ここで聴く音声は、いかに音声の言葉だけで聞き手をイメージさせるかを意識したものなので、言語理解や聞き取りのトレーニングになっ(てい)た(詳しい効果についてはこちらの記事をご覧ください)ことにもつながりました。

聴くことで「何か得よう」と思わなくてもいいと思います。当時の僕もそうでした。それでも継続して耳に取り込んでおくことで、自然と身についているという感覚があるはずです。

ステップ3:ひたすら本を読む

うつ病の症状も緩和し始めて、そろそろ再就職の兆しが見えてきたかな、という時期にこのステップ3を行いました。

本当にひたすら、本を読んでいました。このころは同じ書店に5時間いるというのが当たり前でした。ステップ1でお話しした『背表紙のタイトル眺め』だけで5時間終わったこともあります。これが今、幅広く興味を持つきっかけになっているのです。

家に帰ってから、同じ時間くらい本を読みます。こうして一日に5冊くらいは読むということを1ヵ月続けていました。あと、僕は本当に気に入った本は、何度も繰り返して読むことが多いです。知識を広げるだけでなく、深めることにもつながると感じているからです。

こうして知識が増えたことで、思考にゆとりができた感覚があります。それが仕事での会話でも比較的柔軟に対応できるようになった一因になっているのかなと感じているのです。

②アウトプットをする

2つ目は『アウトプットをすること』です。僕はそれまで、沢山のアート作品を制作し、個展も開催していました。作品のアイディアなんて、空気のように浮かびます。

…これが全くできなくなりました。何にも浮かばないのです。それまでずっと制作してきたので、作れないことでフラストレーションもたまりました。

しかし、僕はここで発想を逆転させました。『“表現できない自分”を表現しよう』となったのです。それがこの作品。

作品:「表現を失った少年」
林谷 隆志『表現を失った少年』(2013年)

美的なものはないかもしれませんが、『思い浮かばない時にしか出てこないもの』として、今でも大切にしている作品の一つになっています。

僕の場合は「絵」でした。他にも写真が好きな方はその時しか見えてこな撮り方であったり、音楽を作っていた方であればその時にしか作れない音であったり、このいまの精神状態でしか出てこないものがあると思います。

確実に言えるのは『何も浮かばない』『何も考えられない』ということも表現のヒントにできる、ということです。

ただ「アウトプット」というと外部に発信するイメージがありますが、ここでは『自分から外へ出す』だけでOKです。他者に公開するのは回復後に行っても構いませんし、そのまま公開せず保管しておくのも良いでしょう。

思ったことを生み出す過程の中で自身の感情と向き合うことにもなるので、気持ちの安定にもなります。


③生活記録を付ける

3つ目は『生活記録を付けること』です。これには2つ効果があります。

効果1:自分がどれだけ取り組んでいるかなどを残しておくことで『これだけやってきた』ということを忘れないで済む
→復帰までに関する効果

効果2:将来的に回復した後、同じ当事者へのアドバイスや体験記事の制作などの基礎資料にできる
→復帰後に関する効果

うつ病の発症件数は年々増加してはいます。しかし、それでも『うつになった→リハビリ頑張った→回復した』の経験はとても価値のあることで、求めている人がとても多いことを今、肌で感じています。

僕の過去ブログ『Self Innovation』でもそうですし、前職の障害者支援事業でも体験記事を書きました。やっぱり、反響が大きいんです。
うつ時代の生活記録
この頃はあがく様に筋トレしてました

僕もこのように、ノートを付けていました。この写真にはありませんが、始めの方は起きた時間と寝る時間くらいしか書いていません。そんな感じからのスタートでも良いと思います。

当時は意識していませんでしたが、『誰かに“成功例”としてこの過程を伝える』という形に結果として発展することになりました。

あなたの経験も、ほぼ必ずと言っていいほどニーズがあります。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

僕もそうでしたが、うつ病はいつ治るか、どれだけ回復しているのかが見えないことで不安になりやすいですよね。『これをやっていれば上手くいく』という確約がない中あがいているようで、とても辛い思いをしてきました。

でも、その『あがき』が、今こうした記事の大切な『材料』となっているのも事実です。

今取り残されているような気持ちで、辛いかもしれません。『こんなことをしても就職の為にならない』と焦っているかもしれません。

でも、大丈夫です。就職には効果がなくても、行ったこと全てあなたの財産になります。僕が約束します。

いつか、回復後のあなたの体験談を目にする機会が来ることを待っています。


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