【発達障害】障害者雇用で辛いこと…差別と感じる意外な言動TOP3


こんにちは。フリーライターの林谷です。
今日はテーマ『発達障害』のうち、『差別』についての話をしたいと思います(僕が持つ発達障害についてはこちらをご覧ください)。


障害者に対する差別は減っているが、0ではない

法律で障害者雇用への差別が禁止されている

近年、障害者雇用促進法や障害者差別解消法、これら障害に関する法律が定められました。制定後も生じる課題やニーズに対し、度々の改正がなされています。

法律には、職場で障害を持つ方に対し

○差別の禁止

○合理的配慮を行う

など、企業でも平等な条件で働けるように義務付けられています。この「合理的配慮」とは、障害による弱点をうまくカバーするためのサポート、といったニュアンスの配慮です。これらの影響もあって、発達障害を持ちながら障害者雇用で働いた経験がある方、多いかもしれません。
発達障害もかつてと比べ、知っている方も増えました。
僕が発達障害のひとつ、『ASD』と診断されたとき、当時の職場の人はみな『』な顔でした。僕自身も、それまでは聞いたことがない名称でしたし。

でも今は、テレビやインターネットでもこの手の情報、いっぱいです。こうして情報に溢れていることで、発達障害の当事者に対してあからさまに差別をしてくる人は減ったのではないでしょうか。『発達障害』と聞いただけで距離を置かれたり、明らかにひどいことを言われるということは、少なくともこれまでの僕にはありませんでした。

参考:ASD(自閉症スペクトラム症、アスペルガー症候群)について | e-ヘルスネット(厚生労働省)
参考:障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮に関する Q&A(厚生労働省)
 

『配慮』の中には、差別と感じやすい言動がある 

ここで今日の本題。差別発言がなくなったからといって、では傷つく言動がないか…というと、そうではありません。

問題は、
相手の事情を知らないために、当事者に対して差別ともなる言動になってしまっている』ことです。

その本人は無意識であったり、『良かれと思って』だったり事情は様々です。僕も『知らないから仕方ない』と思いながら、そうと分かっていても『ムカッと来る』ような『差別と感じてしまう』言動を受けたこともありました。

今回は僕が感じたそのような『実は当事者が差別と感じる周囲の言動』を
TOP3にして紹介していきます。


【発達障害体験談】実は『差別』と感じやすい言動TOP3

第3位:割れ物に触るように、異常・過剰に優しくされる

第3位は、
割れ物に触るように、異常・過剰に優しくされる
です。心当たりあるかも知れません。

これは相手が発達障害を持つ方と接した経験がなく、対応が分からない人に多く感じられました

確かに感情をあらげて怒鳴られたりする、それは苦手です。だからと言って極端にソフトにされると、『距離』を感じます。こういう扱いをされることで、僕は周囲との関わり方や話し方が分からなくなることがありました。

第2位:小さい子供に話す口調で話してくる 

第2位は、
小さい子供に話す口調で話してくる
です。

僕はそこまでではないですが、発達障害を持つ人のなかには話し方や口調が一見、小さい子供のように聞こえるケースがあります。

ただこれ、外への現れ方が子供っぽく見えるだけで、中の思考まで幼くはないんです。
このギャップがあるために、僕も意思を伝わりきれない辛さを感じたことがあります。

中には、幼児に話すような口調でくる人もいました。そういう人たち、僕ら当事者をどう見てるんでしょう?舐めて扱ってる形になってること、気付いてますか?そう言いたくなります。

参考:障がい・病気がある人がその人らしく働くために必要なのは"配慮"ではなく、ひとりの"人"として扱われること | ミルマガジン

第1位:職場で置物扱いする

第1位は、
職場で置物扱いする』です。

これはこちらの記事『【発達障害当事者ブログ】辛い職場の特徴3選。その時行った対策は?』でもお伝えしている、『戦力として期待されず、行動を一方的に制限されること』こちらに当たります。

これの原因はその態度を示している相手というより、障害者雇用の活かし方が分からず、宙ぶらりんに放置している組織的な問題もあるかもしれません。

例えば僕が経験したもので挙げると、

◆業務の打ち合わせに参加させてもらえない

◆会社の成長に直結した仕事をさせてもらえない

◆自身の成長のために創意工夫すると嫌がられる

◆結局、言われたことを機械的にやっていてほしい


このような態度を示されたことがあります。もちろんこれには、リスクや負担の大きいことはさせられない』というような配慮もあるでしょう。

しかしその度が過ぎて『完全に置物扱い』されていると、仕事をする価値が見出だせなくなります。

障害者は確かに、働くチャンスは比較的少ないです。でもだからと言ってお金をもらえればそれで良い。そう割り切っているわけではありません。もっと活躍したいと思うケースもあるのです。

自分がこの仕事をしていて、誰かのためになれている。

こう思いたいのは障害者も同じであることに、気づいてもらえるのはいつになるのでしょうか…

参考:私たちは戦力外ですか!? | くらしと仕事

改善のカギは、当事者自身にもあると考えている

ここまで
『実は『差別』と感じやすい言動』TOP3を紹介してきました。
これだけだと、まるで全部周りのせいだ!俺は悪くない!って文句だけ言ってるように聞こえるかもしれません。

しかし今回の差別を解消するために、
こういう関わり方をしてください
と正解を示さないといけないのは、僕たち当事者の心がける部分があるのでは。
そう考えているのです。

そこで最後に、
僕が差別されないために心がけていることを紹介します。

これはあくまで僕個人の意見です。時間がかかるものが多いですが、一度浸透すれば効果は大きいと思っています。ひとつでも『やってみようかな』と思えるものがありましたら、ぜひトライしてみてください。


【私見】差別されないために心掛ける『3つ』のポイント

ポイント1:周囲にとって”学び”がある価値を身につける 

まず一つは
周囲にとって”学び”がある価値を身につける
ということです。

この人から何かを得たい。そう思ってもらえるように取り組んでいく、ということになります。

例えば僕の場合、過去に勤めた職場でただ仕事をこなしているだけでは、全く相手にされない感じがありました。まるで『ペット』扱いです。

ただこういうときって、周囲からは『僕の必要性』が見えていないからでもある、そう思ったんです。

だからこそ僕は自分の担当業務について良く勉強し、周囲から問題点や課題なども聞き入れて、担当業務について一番している人間になるように努力しました。結果一番になったかどうかは分かりませんが、最終的には部内はもちろん、部署外の方にも『この仕事なら林谷に聞く』というスタイルになりました。

それによって大変な面ももちろん、ありました。僕を煙たがる人もでてきましたが、僕にペットのように話しかけてくる人は、いなくなったのです。

このように『このことだったらあの人に聞こう』となるような、周囲にとって学びを与える存在になることで差別を解消するチャンスがあるのではと考えています。

ポイント2:分かりやすい、明確な実績やパフォーマンスを出す 

どんなに行っている仕事が単純なものであったとしても、他の人が1日10件しかできない作業を100件こなしていたら、気になりますよね?

『どうやってやってるの?』

『コツを教えてよ』

そう聞いて来る方も出てくるかもしれません。僕はポイント1で紹介した行動をするために、まずはこういった仕事の作業スピードや効率にめちゃめちゃこだわりました。

事務作業だったんですけど、書類の印鑑押しとかチェックするスピード、めちゃくちゃ早くなりました。

音が、知る人ぞ知る川崎大師の飴職人の音みたいでした。
トントントントン…この音、今でも甦ってきます。

そういったインパクトを与えるような明確な実績やパフォーマンスを見せることで、『そんな一面もあるんだ』と気づいてもらえるチャンスをつかみました。

普通にしていても、意外と努力って端からは見えないものです。そこで本来の自分を知ってもらうために、誰からも分かりやすい「スピード」で『こいつは違う』と思ってもらえるように努めました。

これを続けることで、ポイント1の『学び』にもつながっていきました。

ポイント3:これは一番になれるというものを見つける 

ポイント1のように、学べる存在なんて無理だよ…
ポイント2のように、頑張ってもできないよ…
こう思った人もいるのではないでしょうか。

このような人はまず、ポイント2の段階に行くチャンスとして、『これは一番になれるもの』を見つけることで、道が開けるかもしれません。これがなく、曖昧に仕事をしているうちはイメージを変えてもらうことは難しいでしょう。人ってインパクトがないと、なかなか見方は変わりませんから。

例えば『一番候補』のものが職場に沢山できる人がいる…ようなハードルが高いものは控えましょう。もう一度、周囲が持っていなそうなもので探し直しです。

もう候補にできるものがない…と感じたら、その環境はあなたにとって働きにくい環境であるか、もともと機械的な作業を求めている職場である可能性があります。その場合は、そもそもの働き方について見直してみた方が良いかもしれません。

どうしてここまで『インパクト』にこだわるのか。それは『平均的にこなす』ということが発達障害の当事者には難しいことが多いからです。

ですからどうしても、できないことがあるとそこばかり注目されやすいことがあります。『書類作成は早いけど、電話取れないしね~』のように。良く言われました。

ですから周囲からも価値があるほど、一つの作業を極めることを、とても大切だと思っています。このできない分を大きくカバーできるくらい、です。僕はこうして『文章を書くこと』や『表現すること』に落ち着いています。

始めは辛いかもしれません。でも、もし『もうバカにされるのはいや!』と感じているなら、一度トライしてみることをお勧めします。

おわりに 

いかがでしたか。

発達障害、と聞くだけで差別視する人、まだいます。過去に当事者との関わりで嫌な思いをした人などは、この傾向にある場合がありました。

しかし、僕も『障害を持たない人』という目で見過ぎないようにしています。それもまた『差別』ですから。

1人の『人』として見る。それは簡単なことではないです。しかし僕自身がそうなりたいために、自分から発信できるよう、日々こうして発信することで取り組み続けます。



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