【私見】聴覚過敏の聞こえ方+視覚優位の処理が絵の想像に繋がるワケ

発達障害+HSPアイコン

『聴覚過敏』と『視覚優位』についてのお話です

こんにちは。フリーライターの林谷です。
発達障害のひとつ『ASD(自閉症スペクトラム)』を持ち、かつ繊細な気質が特徴的な『HSP』が強く現れています(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。

今回は僕も当事者である発達障害を持つ方や、HSP気質の方が多く抱えている『感覚過敏』のうち「聴覚過敏」について。

加えてASD(自閉症スペクトラム)を持つ方や、特別な知性や能力を持っていることがある『ギフテッド』の方に多く見られる処理傾向「視覚優位」について。

この2つのつながりについてお話ししていきたいと思います。


聴覚過敏+視覚優位だからこそ、絵のイメージが浮かびやすいと感じている

きっかけは、「音」から絵のイメージが浮かびやすい点に気づいたことから

なぜこのつながりについてお話しすることになったのかといいますと、僕が描く絵のイメージを考える際、とある特徴があることに気づいたからです。

その特徴について下記にまとめました。

【絵のイメージが浮かびやすい特徴】

・絵や風景など、『視覚情報』から絵のイメージが浮かぶケースは意外にも少ない

・音や音楽など、『聴覚情報』から絵のイメージが浮かぶことが多い

・または物語などを文字で読み進めていく(目読)うちに、絵のイメージが浮かぶケースもある

このような特徴があることに気づいたのです。そのため絵や風景を見ること自体は好きですが、それがアウトプットに繋がるケースはあまりありません。

反対に、こちらの記事でも紹介した「水の音」や、音楽を聴いたときに頭の中に絵のイメージが浮かぶことが多くあるのです。

視覚過敏+視覚優位のほうが、絵のイメージが浮かびやすいのでは?

今回は『“聴覚過敏視覚優位”だからこそ、絵のイメージが浮かびやすい』というテーマについてお話ししています。

いや、待って?『絵』なら「“視覚”過敏」の方が絵のイメージが浮かびやすいのでは?と考えた方もいるかもしれません。もちろんこの特徴を持つ方でも絵が得意な方はいるかもしれません。

しかし今回は、『聴覚過敏だからこそ絵のイメージが浮かぶ理由について解説していきます。もちろん、これは当事者である自分個人の意見ですので、あくまでも参考程度の情報として捉えていただけましたら幸いです。

【私見】聴覚過敏の聞こえ方+視覚優位の処理が絵の想像に繋がるワケ

①聴覚優位であれば、『絵』より『音』や『言葉』として処理する機会が多いと考えているため

理由の1つ目は聴覚優位であれば、『絵』より『音』や『言葉』として処理する機会が多いと考えているため』という点です。

聴覚が過敏だと、耳から入る情報が比較的多くなります。

ただこの後の処理が視覚優位ではなく『聴覚優位』であれば、『視覚』ではなく『言葉』や『音』など『聴覚情報』として処理する傾向があるのではないでしょうか。

聴覚優位は、『見るより聞いた方が早い』というタイプの処理傾向です。もし今回の考えが合っていたならば、聴覚優位の方は聴いたことだけでなく、視覚情報として見たものも『音』や『言葉』として変換して処理をすることがあるかもしれません。

そのため、まず『聴覚優位』の方の場合、自然と『絵(視覚)のイメージ』を浮かべる機会が少ないのではないかと考えたのです(反面、音楽や音、言葉に関するアウトプットが得意かも知れません)。

②視覚優位だと、聴覚情報も視覚化しようとする機会がある


理由の2つ目は、視覚優位だと、聴覚情報視覚化しようとする機会がある』という点です。

話を「視覚優位」に戻します。

視覚優位は、先ほどの聴覚優位の逆で『聞くより見た方が早い』というタイプです。これは僕もそうなのでよく分かります。

ここで僕が思ったのは、見たものを『視覚情報』として処理することは当然としてあると思います。さらには本来、聴覚情報として処理をする「音」や「言葉」なども『視覚情報』として処理しようとするのではないかと感じたのです。

この傾向があるからこそ、仕事などで「聞いたことをなかなか覚えられない」「耳で聞いた指示も頭の中で視覚化しようとするから、理解することが難しかったなどの問題が起きやすかったのかなと考えました。

こうして頭の中で『情報の種別に限らず、受けた情報を映像化する機会が多い』ことが、絵のイメージが浮かびやすい要因なのではと考えたのです。

③聴覚情報を視覚化させるプロセスが、絵のイメージの結びつきやすいと考えている

3つ目の理由。『聴覚情報視覚化させるプロセスが、絵のイメージの結びつきやすいと考えている』という点です。

先ほど少し触れましたが、「絵(映像)」なのだから、「視覚過敏」のほうが沢山絵のイメージ沸くのでは?と考えた方もいるかもしれません。

確かに「視覚過敏視覚優位」であるほうが、『モノを見る(情報を得る)機会』は多いはずです。しかし、聴覚過敏も併せ持っている場合は別ですが、もし視覚過敏のみであった場合、想像を膨らませることをせず、正確に見たままを処理して終わるケースも出てくるのでは、と考えているのです。

これはどうしてかというと、僕自身も視覚過敏ではないものの、視覚情報を処理する機会は多くあります。しかし冒頭の自身の特徴でお話ししたように、絵や風景から絵のイメージが沸くケースは少ないのです。

これがもし画風が風景画などで、写実的な絵を描く場合であれば、視覚過敏の方でも絵が得意なことがあるかもしれません。さらにはフォトグラファーでしたら「視覚過敏視覚優位」の組み合わせは最高かもしれません。

しかし、イメージを浮かべて作り上げるという作業には、視覚過敏視覚優位ではなかなか結び付かないのかな、というのが僕の意見です。

では、どういう場面で絵のイメージが浮かびやすいのか。

それが冒頭でお話しした、「音や音楽などのほうが、絵のイメージが浮かびやすい」ということの答えです。

聴覚情報』という「“もとは視覚化されていない情報”を、映像にしようとするプロセス」の中に、絵のイメージに結びつくヒントがあるのではないかと考えているのが、その「答え」になります。聴覚過敏なわけですから、その“素材”を多く拾いやすいことも含まれます。

こうしてより処理に労力を使うからこそ、そのエネルギーが自分の絵のきっかけになっているのではないかということに気づいたのです。


…これが『聴覚過敏視覚優位』と『絵のイメージが浮かびやすい』が繋がる「ワケ」です。ですから可能性的には、『触覚過敏視覚優位なども絵のイメージが浮かびやすいかもしれません。

あくまでも今回の話は個人的な見解で、科学的な根拠はありません。しかしながらもし、同じく絵を描いている方で「絵のアイディアがなかなか浮かばない」という方の悩みを解決するヒントになりましたら、幸いです。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回は少し複雑な内容のお話をさせていただきました。ちなみに「聴覚」と「視覚」を分かりやすく色分けしてみました。これもまた、「視覚効果」です。

最後にそんな『聴覚過敏視覚優位』な僕が「音」をヒントに描いた絵を紹介して今回はお別れします。それでは。

作品「Green Rainy Day」
林谷 隆志「Green Rainy Day」 → 雨の音がヒント

作品「ジムノペディの音間」
作品「ジムノペディの音間」 → 曲「ジムノペディ第一番」がヒント

もし興味を持っていただけましたら、こちらのオンラインアートショップ『Rainbow Cross Section 虹の断面図』にも遊びに来てくださいね。



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