【発達障害・HSP】テレワーク~経験から考えるメリット・デメリット

発達障害・HSPアイコン

1年間、テレワークでライティングの仕事を経験した

障害を持つ方たちを支援するサイトの記事作成の仕事を担当

こんにちは、林谷です。

今日は、ここ最近浸透し始めている「テレワーク」についてです。

新型コロナウィルスの影響で、それまでのオフィスワークから急にワークスタイルを変えざるを得なくなった方も多いでしょう。

それによって家で仕事を進められない、ZOOMやチャットなどリモートの連絡ツールなどの使い方が分からない。そんな環境変化に混乱し、苦しんでいる方も多いのではないでしょうか。
さて、僕はと言いますと、自ら「希望して」テレワークの仕事に就職した人間の一人です。

こちらの記事で詳しくお話ししていますが、自身が持つ発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)とHSPの両方の特性を持つこともあり、オフィスワークでの働き方に限界を感じていたのです。

純粋に仕事に没頭したいのに、それができない。敢えて周りと足並みを揃えるために「手を抜く」ことなども意識することを求められる…そんな矛盾に耐えられなかったのです。

このようなストレス環境を解消したいと思って探したのが「テレワーク(在宅勤務)でした。

テレワークはおよそ1年間お仕事をさせていただきました。この会社も別の事情で今は止めていますが、「職場環境」としては自分にはマッチしていたのです。

では、そんなテレワークの仕事を経験し、かつ発達障害とHSPの両方の特性を持つ者としてどんなメリットを感じたか。今日のテーマはその「テレワークのメリット」についてです。僕自身のテレワーク業務の詳細などについては、下記の関連記事をご覧ください。

【発達障害・HSP】テレワーク~経験から考えるメリット・デメリット

その1 発達障害(ASD)を持つ僕が感じる、テレワークのメリット

○自己主張をしやすく、オフィスでは煙たがられた「こだわり」が歓迎されやすい

ASDはこだわりが強い。これは特徴として良く言われるものです。

僕もその例にもれず、あらゆることに「こだわり」というか、「極め癖」が出ることがあります。

そのため、言われたことをただやっているのではなく、「自分の手で」何か成果を出したい、という思いから業務にこだわりを持つことがあります。

オフィスワークの頃も、情報共有のために自分の勤務状況を1枚の紙にまとめて定期的に上司に渡していたり、問題が起きた際に改善案を提出したりなどをしていました。もちろん自己満足の為ではなく、会社の成長の為を思ってです。

こういった、「頑張るなら、組織を成長させるくらいこだわりたい」という強い気持ちがありました。

ただ、はっきりいってそのこだわりは、周りから煙たがれていました。

「お前の立場でやることではない」

「お前がそうしたら、周りもそうしなければならないから迷惑だ」

「むさくるしいやつだ。言われたことだけやっていれば良いのに」

などなど、非難の声も受けました。直接のかかわりの中では、この「熱量」は“邪魔”でしかなかったのでしょう。足並みを揃えるために、自分のパフォーマンスを下げることにいら立ちも感じていました。

ここからが本題。

テレワークになると、当たり前ですけど仕事している姿が見えません。何をしているのかも分かりにくいものです。これをカバーするには、お互い自発的に「発信する」しかないのです。ここに苦労している方も多いかもしれません。

僕の場合、オフィスワークでは「むさくるしい」「うざい」ような熱量で、上の例の様にこちらから発信していくことが、仕事相手に「姿(仕事状況)を見せる」ことで良い効果を生んだのです。

これは余談ですが、相手に状況を伝える際には、ラジオの実況中継の様に視覚で分かる動きや行動も言葉にして説明するように心がけています。

その2 HSP気質の僕が感じる、テレワークのメリット

周囲の環境からの影響が少ない

何といっても、繊細な気質を持つHSPの僕にとって「安心できる自宅でできる」というのは、健康状態の向上につながるほど最適な職場環境です。

オフィスだと、周囲の話し声(雑音)や鳴りやまない電話、周囲のネガティブな感情ややり取り、突発的な判断を要求されたり…など、情報収集量が多いHSPにとってはすぐにパンクするような環境でした(こちらの記事で、その環境について詳しく説明しています)。

HSPの気質で良い効果があったのは「周りの動きを見ながら、それに沿った行動をする」ことくらいでしょうか。

また場合によっては、仕事とは関係のない「雑談」ができないといけないこともありました。僕は内容のない雑談が苦手(嫌い)で、それをしない分周りから煙たがられました。都合のいい時には頼られました(利用された)が。

テレワークでは、このような環境をほとんど排除でき、かつコミュニケーションも最低限の仕事上のやり取りのみで済みます。

オフィスでは定期的に疲労がたまり、休むこともありましたが、テレワークではそれも緩和されました。せいぜい気圧変化による体調不良くらいです。

結果的にはこのテレワークの仕事も辞めていますが、「僕にとって健康的に続けるならば、テレワークが良い」という確信を持てています。

参考:HSPの苦手なこと | HSP診断テスト


その3.共通のメリット~時間を有意義に使える

これは障害などの有無に関わらず、どのような方でもメリットに感じやすいことではないでしょうか。

例えば通勤時間が往復2時間だと考えても、そのための準備をしたり労力を考えると、自身の体感では一日5時間くらい費やしている気がしていました。

「オフィスに持っていくもので忘れ物はないか」「定期券はチャージされているかどうか」「交通機関の状況は」などや、職場で対面する嫌な人について考える労力など、自身にとっては色々なものが「不要」と感じていたのです。

これがなくなった分、事実ライターの仕事をしながらパラリンアーティストとして作品を受けたり、取材を受けたりなど、さらに活動的に動けるようになったと思っています。

この3つの結果、「一人で何でも進めたい」と普段から感じやすい僕には、最低限のコミュニケーションで進められる在宅勤務はとても合った環境だと思っています。

テレワークには、デメリットもある

では、テレワークは言いこと尽くしかというと、残念ながらメリットだけではありません。デメリットとして僕が感じたのは下記の2つです。

その1.相手の言葉が冷淡に感じてしまう

テレワークは原則、文字でのやり取りになります。そのためどうしても、話し方のトーンや表情抜きでの対話になるため、比較的言葉が冷たく感じることが多いです。

ZOOMなどで顔を見て話すこともできますが、その前後の相手の表情はみえないため、「どうしてそのような言葉に至ったか」「どうしてそのような語気で話すのか」が見えにくいと感じていました。

できれば絵文字や顔文字を使い、「温度」を知りたいと思ったことが何度あったことか(IT企業の経営者同士のやりとりなどでは、顔文字なども使われるそう)…

その2.仕事に対する反応がないため、自身の仕事ぶりについて不安になりやすい

在宅勤務は基本、仕事が終わればそのままプライベートです。それはメリットでもお伝えしましたが、何か仕事を終えた時の「ありがとう」「今日は本当に助かった」と言葉をかけられたり、「お疲れさま」と言われることはないわけです(メールなど、形式的なそれはあるが)。

そのため、自分自身で「自分、頑張った」と思いにくいことを感じていました(これは相手の苦労や努力も見えにくいということかもしれません)。

どんなにやるべきことをこなし、自分のノルマをクリアしても、です。反応がないため、達成度が分かりにくい。僕は自己肯定感が低いこともあって、これを測ることにとても苦しみました。

僕と同じライターの場合、PVや読者の声などを知られるようにして、明確な数値や形として達成度を測ることができれば、改善に近づくのではと感じています。

参考:在宅勤務で浮き彫りになる課題 理想のテレワーク環境を構築するには? - ITmedia ビジネスオンライン

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回は久々にボリュームのある内容でお話しさせていただきました。
結果的に今はフリーで活動していますが、テレワークを経験したことで、ZOOMやチャットなどリモートでの会話経験を身につけたことはとても大きなものとなっています。

テレワークの良い面と、改善が必要な面を見たうえで、情報の伝え方や情報を意外(感情など)をどう伝えるか、これからも考えていきたいと思います。


コメント