知らないジャンルを調べて記事を書くときは?
こんにちは。フリーライターの林谷です。
今回はクラウドソーシングでお仕事を受けていた時代、障害者支援サイトでライターとして記事を書いていた時代も含めて『調べて書く記事』に焦点を当ててお話ししていきます。
Webライターで稼ぎたい。でも知っているジャンルの案件がない
単価が高く、稼げる記事案件は知らないジャンルばかり
僕は2013年~2014年あたりと2017年末あたり、クラウドソーシングで記事を書く仕事を受けていました。受けた案件は全部で70件ほど、書いた記事は150件くらいになると思います(記事5作で支払い1件、などの契約があったため)。
そんななか『なかなか稼げないな…(文字)単価高いのないかな?』と探しては見るものの、いざ単価が高いものって、『自分が知らない領域のこと』ばっかりでした。
◇新規化粧品の案内記事
◇薄毛防止の薬品案内記事
◇仮想通貨取り扱いのマニュアル記事
◇建築経験のある方の体験談記事
このようなジャンルは僕の全く分からない分野です。当時確かにこれらは文字単価の高い案件でした(1.3円から2円以上のものも)。しかし専門的な知識がないために、『やっぱり無理だよね…』とまたぐるぐる案件探しに戻る、の繰り返しでした。結果件数は沢山書きましたが、報酬額は2年以上の期間中、全部で10万円にも行っていません。
知っている記事だけでは、Webライターは続かなかった
時は経ち、障害者支援サイトのライターとして勤務することになりました。毎日決まった数だけの記事を投稿することが仕事です。記事のジャンルは主に『障害』に関わることですが、僕が経験している
この3つ以外にも様々な障害や気質、特徴がありますよね。当事者でないもので僕が書いてきた記事は
◆ADHD(注意欠如・多動性障害)
◆LD(学習障害)
◆双極性障害・非定型うつ病
◆場面緘黙症(選択性緘黙)
◆不安障害・パニック障害・強迫性障害
◆パーソナリティ障害
◆慢性疲労症候群
◆統合失調症
◆知的障害
◆身体障害(全般)
◆平衡機能障害・聴覚障害
概ねこれぐらいの種類の記事を書いてきました(権利の関係上ご案内できず…ごめんなさい)。もしも知っている記事だけしか書けなかったら、僕はライターとしておよそ1年間、700記事以上記事を投稿することはできなかったと思っています。
知らないジャンルの記事は、知っていることを書くより10倍疲れる
経験のある方は分かると思いますが、僕は自分が知らないジャンルのことを記事にする際、知っているそれよりも10倍疲れていました。どんな点が『疲労が10倍になるポイント』なのか、簡単にまとめました。
知らない記事を書く際の、疲労を10倍にさせるポイント
ポイント1:検索(取材)しないといけない
1つ目は当たり前ですけど、『検索しないといけない』点です。
知らないことですから、誰かに教えてもらうしか方法はありません。実際に取材して伺ったことを記事化するケースもありますが、在宅のWebライターの場合情報収集のメインはやはり『ネット検索』になるでしょう。
これがなかなか、見つからないんです。いい資料が。『おっ、いいサイトあるぞ』と思ってみてみたら全然違うサイトに飛んだりするなど、時間がかかるときは徹底的にかかってしまいました。
これ、僕の『どんなワードで探せば見つかるのか』っていうところの知識が弱いために、検索にはものすごく苦労した記憶があります。
正しい知識かどうかジャッジしにくい
2つ目。『正しい知識かどうかジャッジしにくい』ことです。記事を書いてはみたけれど、自分の知っていることではないから『これで合っているのかな…』と不安になるときがありました。そうすると情報がより確かであるかどうかさらに検索して調べるわけです。こうして情報を固めていく作業にも疲れを感じていました。
専門用語など、言葉そのものに馴染みがないこともある
3つ目。『専門用語など、言葉そのものに馴染みがないこともある』ことです。知らない分野であれば、そのジャンルでしか使われない専門用語が出てくることが多くあります。
例えば精神疾患の治療で使われる薬品の名前や、行動療法の一環としてアンコンシャスバイアスとかも学びました。「アンコンシャスバイアス」なんて、申し訳ないですけど最初『洋服のブランドにありそうだな』くらいしかイメージできませんでしたから。
そういう吸収しにくいワードを目にしないといけない時もあり、疲れました。ちなみにアンコンシャスバイアスについて知りたい方は下の参考リンクにアクセスしてみてくださいね。
このような労力を持ってしてでも、記事として作成しないといけない場面がありました。では、こういった知らないジャンルの記事を書くときに心がけたコツを3つ紹介していきます。
【Webライター】知らないジャンルの記事を書く時の3つのコツ
①受け売りレベルを脱するくらい調べる
対策の1つ目『受け売りレベルを脱するくらい調べる』ことです。簡単に言うと、自分の言葉として発信できるまで、知識として消化するということです。もっと噛み砕くと、「その記事を書いた時点で忘れる、というレベルを超えたもの」の方が解りやすいでしょうか。
障害者支援サイトでライターをしていた時、読者の方とお話しする機会がありました。その際に『文章を見れば本当に理解しているか、言わされてるかが分かる』と話していたのをよく覚えています。
実際には知らなくても、記事として公にする以上『教える立場』になるわけです。ですから教えられるレベルにできるよう、徹底的に調べることをしました。
②参照・参考リンクを掲載し、極力リンクは公共機関のサイトを使用する
対策2つ目。『参照・参考リンクを掲載し、極力リンクは公共機関のサイトを使用する』ことです。これは自分が当事者であるジャンルでも、必ず行っていました。理由は専門知識を取り入れた(コピペではない)記事であることを伝え、読み手に安心してもらうためです。
対策1の方法でどれだけ学んだとしても、その道で何年もプロでやっている専門家には勝てません。ですから相手への信用も込めて参照・参考リンクを入れます。
さらにはこのリンクは極力、公共機関のサイトを活用するようにしています。これは民間のサイトより信頼しやすいこともありますが、何より『なくなりにくい』サイトだからです。これはサイトがなくなり、リンクにアクセスできなくなるたび修正するリスクを減らすことにつながります。
『建物』に例えると、民間企業のオフィスは事業拡大して移転したり、なくなってしまうこともありますよね。でもこれが国会議事堂や大きな病院でしたらどうでしょう。頻繁に引っ越しされたら多くの方の生活に支障をきたすはずです。ですから長い期間、動かないことが多いですよね。
これと同じようにウェブサイトでも、移転や閉鎖のリスクが少ない点で、公共機関のサイトをリンクとして使用します。
ただ、民間企業の方が専門的に切り込んでる良いものも多いのです。そんなときは、両方載せてました。冒頭のさわり部分に公共機関のリンクを使い、本題の専門的な文面の参照リンクには民間企業のサイトを使う、なども行っていました。
③場合によっては、学ぶ課程を記事に織り込む
対策3つ目『場合によっては、学ぶ課程を記事に織り込む』ことです。これは少し、他の2つより難易度が上がります。
知らないジャンルの知識を網羅しただけでは、どんなにコピペしなくてもコンテンツとして『薄い』ものになるリスクが高いでしょう。
そんなときよく使っていたのは、『学ぶ課程』も記事に織り込む方法です。『一方的に教えるスタンス』ではなく、『読み手と一緒に学んでいくスタンス』を取ることで、より読み手が共感しやすい形にできる可能性があります。僕は記事の見出しの項目に学ぶ過程を入れてみたり、そもそも「~学んでみた」的な記事を作るときもありました。
もちろん実際には公開時点で著者は調べているわけで、内容を知っています。しかし記事内で著者もまた『知らない→記事で理解する』流れを辿る形をとるのです。よく英会話などの教育番組で、講師と学ぶ側代表のMCがいると思うんですけど、ライターはそのMCのポジションです。
こうして同じ学ぶ立場で記事を書いた方が、ただアドバイスする記事よりも伝わりやすくなるときがあります。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
知らないことを記事化できるスキルは、ライターとして長くやっていく上で重要なカギとなるスキルです。もちろん、『自分の考えや体験を文章化するスキル』も大切です。
しかしさらに『調べたことを文章化できるスキル』も加われば、書き手として選択肢が広がり、需要が高まることがあるかもしれません。
【セットで読むと良いかも】
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